センター試験まで「残り30日」で,高得点を目指す人のために

前年度「センター試験まで残り30日間で出来る対策」について記事 http://wp.me/p6S43T-9h に書きましたが,今年度は特に「高得点帯を目指す人」へ向けた学習法について述べてみたいと思います.

●一般論
センター試験に関しては,各科目の試験中時間配分と,特有の出題形式に慣れておく必要がありますので,その分の演習を補充します.
演習の際には全教材とも,「自信が有って正答した設問」には◯,「自信が無かったが正答だった設問」には△,不正答には×をつけます.そして,「△と×を◯に変える」学習を行って下さい(付箋等を活用すると良いでしょう).
注意すべき点としては,「全科目の試験が終わるまで,前の試験科目の答え合わせはしない」事です.なぜなら,既に終了した試験科目の自己採点を行っても,得点結果が向上する事は無い一方で,心理的に悪影響を及ぼすリスクが否めない為です.自己採点は「最終日の夜」まで我慢して,各時間とも目先の科目対策に集中しましょう.また,試験会場で知人らと「終わった科目の話はしない」という事も,予め出来れば申し合わせておくとなお無難です.

●英語
「週に少なくとも1~2回,英語(長文・総合問題)に触れる」事を意識してください.教材としては「初見の長文(総合問題)」の中から,受験者のレベルに適するものを使用します.なお,現実的時間配分を考えると「手元の教材全部に手をつける必要も無い」事に注意して下さい.
主たる目標は得点の安定化と「カンが鈍らないように」といったところですが,特に数学等他の科目との学習時間力量配分の競合に留意しましょう.目指すべきはあくまでも「総合得点の最大化」です.
特に高得点帯をコンスタントに目指すレベルの受験者層に関しては,センター試験固有の対策は特に必要ないかと思われますが,マーク式模試等で不安点が残るようであれば,時間の許す範囲で「特別強化」を図っても良いでしょう.

●数学
コンスタントにセ試9割以上を望める層にとって,学力的に問題は何ら無いはずですが,センター特有の誘導形式に乗る出題・解答方式に留意し,十分な準備対策を行って臨んで下さい.この点については先人達の反省の上に申している事ですので,特に注意して強調しておきます.
また,余力があれば「センター追試」分の演習も行ってもよいでしょう(そのくらい慣れが肝心).

●国語
「時間配分と解く順番」については予め演習で決めておいて下さい.ここでもたつくと最悪の場合大崩れになりかねないので,時間配分上「見切りライン」を設定しておいても良い位です.
◆現代文
「コンスタントに得点が取れる」事を重視して下さい.セ試・2次を通じて意外と合計配点の肝になる科目なので注意しましょう.具体的には,これまで演習してきた教材等(例えばセンター試験過去問)の復習により読解・内容理解を徹底する事に努めて下さい.
◆古文
配点からして微妙にもかかわらず鬼門な科目です.特にセ試は,本文自体はまず的中しない上に実は難しい(設問が標準レベルなので平均点が助けられている),といった有様です.
実際上は,どこまで読解力の向上に力量を投入するのか,勇気を持った決断が必要です.中途半端な学力では得点面で無駄に終わる危険も否めないので,敢えて極端に申すなら「標準レベルまでは取りにいくか,or捨てるか」の選択が迫られる科目である,とも言えます.尤も実際にはなかなか捨てられないので,学習時間分量的にも厳しい中で「平均点程度」を目指せるかが鍵となります.
◆漢文
一見して古文と性質はやや似通っていますが,実はより楽に高得点が狙える科目です.標準的な句形と「漢文常識」を覚え込んで合格者平均並みの学力を確保した上で,「英訳併用」の裏技を使えばゴボウ抜きも夢ではありません.
但し,一字読み違えると「即沈没」の危険は当然有る科目ですので(特に1題あたりの配点が高い設問に注意),時間短縮を図る中でも読解には十分慎重を期す事を忘れないで下さい.

●理科
センター試験対策は,特有の出題形式に慣れれば足りるはずです,使用教材は,出題範囲の関係上現行課程分のみとなりますので,模試セット等を活用しましょう.また逆に,もし万一ここで「不足」が判明した場合には,早急に補充学習を追加する必要があります.
理科「無印」科目の受験者は多くが2次でも同科目を課されるものと思いますので,「接続」をベースに傾向対策を補充していく事を考えましょう.この理科での得点精度は,総合結果に心理的影響を与えるので,出来る限り高得点で安定させたいところです.
他方,「基礎」2科目受験者は,現実的な目標得点ラインの設定が肝要となります.「無対策」は厳禁ですが,あまり高得点を目指す事は必ずしもコストパフォーマンス良くありません.「入試は総合点」を念頭において取り組みましょう.

●社会
教科書と基本教材(例えば「面白いほどとれる本」)を徹底的に読み込みます.指導経験則上,これを徹底する事で得点率85~90%は確保出来る事が分かっています.
他方,これ以上の高得点帯で安定を目指す為には,「書き出す」形で知識情報を整理する演習も視野に入ってきます.時間余力の許す限りですが,「サブノート」型教材を活用して,目標である「得点の安定化」に努めましょう.
また,2次試験で社会が課される人は,出題傾向の相違に注意しつつ「接続」をも踏まえた学習取り組みを行う事が現実的です.

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