予備校の医学部対策講座の使い方について,と,そもそもの医学部医学科志望という事について少し

過日,教え子が駿台の「スーパー国公立大医系Exコース」を取ったと聞いて,様子見でパンフレットを拝見しに行ったら,およそその教え子の志望とは傾向対策が掛け離れているのではないかと見えてやきもきしておるブリザムです.

先ず,駿台の「スーパー国公立大医系(各)コース」が,東大・京大以外の旧帝国大学系医学部と,東京医科歯科大学医学部医学科を本来のターゲットにしている事は,各大学・学部の出題傾向からも明らかです.と言うのも,これらの大学・学部は「難度が高く,その中でコンスタントに一定の高得点を挙げていく必要がある」という点で共通しているからです.他方で,センター試験の配点比重は大学によって差がありますが,こちらは原則として「高値安定」が求められる以上,対策にさほどの差はありません.
一方,東大理三・京大医学部医学科を志望する場合には,原則として他学部との共通問題が出題される事を考慮して,それぞれ東大クラス・京大クラスを取ればいい訳です.もちろん,合格体験記にも挙げられている通り,中には医系クラスから東大・京大に合格を果たした生徒さんも居ますが,それはあくまで傾向対策が“結果として”東京大学・京都大学の2次試験で高得点を得る事に寄与したに過ぎません=“ベストな処方箋”とは到底言い難い,というのが率直な私の意見です.
更に,千葉大学や横浜市立大学の医学部医学科に及んでは,難問を解く事よりも「標準〜やや難」の問題を漏れなく解き切って高得点を維持する事が,より直接的な対策になります.この点からしても,特に「スーパー国公立大医系コース」で「大学別演習プラス」という講座を用意している事は若干強引さが否めず,予備校のカリキュラムが如何に「偏差値輪切り」に侵食されているか,を端的に示す証左とさえ言えましょう.

ひるがえって,上述の教え子の志望内容を具体的に聞いてみると,「私大医学部を主眼としつつ,あわよくば国公立」などという始末です.これもまた,偏差値輪切りの実害に他なりません.はっきり申しますと,医学部医学科で私大専願から国公立へ手を広げるのは無茶無謀以外の何物でもありません.ただでさえ私立医学部医学科は合格可能性が高くないのに(併願が非常に多いため),余計な事にまで手を広げている暇はありません.このような人はせめて私大専願に集中すべきでしょう.

私がよもや「偏差値輪切りの犠牲者」なるキーワードに手を出す日が来ようとは思ってもいませんでしたが,今回は状況が予断を許さないと見えたのでやむなく書かせて頂きました.ここを御覧の医学部医学科志望者で,もし判断に迷われている方がいらっしゃいましたら,ぜひ当方までご相談頂ければ,真摯にアドバイス致しますので,どうぞ宜しくお願い申し上げます.

ーーー

当サイト主宰ブリザムは,医学部医学科入試以外にも各方面へ向けた進路アドバイス・学習指導(大学受験コンサルティング)を提供します.

下記の通り,当サイトでは無償アドバイスと有償アドバイスのいずれかを御用意しております.御希望に合わせて対応いたしますので,以下の内容をお読み頂き,御要望に合う方を選択して下さい:

◆無償
依頼者のペンネーム(無ければイニシャル)を併記させて頂いた上で,「当サイト読者からの質問に答える形」で記事とさせて頂きます.
この利点は無論,費用が掛からない事ですが,欠点としては,「当サイト読者一般に向けてのアドバイス」となる為,個別指導としての効果が薄くなる可能性が挙げられます.

◆有償
アドバイス内容について,(無償の場合と異なり)原則としてサイト他での公開はしません.指導希望者の志望に出来る限り即した形で,具体的な進言を提供します.価格は1万円となります(銀行振込).
お申込みを頂いた際にお伝えする銀行口座に上記金額をお振込頂いた後,電子書面の形で個別指導内容を提供致します.

また,有償アドバイスを御利用頂いた方が,後に当方の個別指導を受講される場合,上記金額を差し引いた価格で個別指導を御提供させて頂きます.

御希望の方は,eメールアドレスnlimeblizzam【at】hotmail.com(【at】→@)まで,
タイトルを「大学受験コンサルティング希望」とし,
●名前(保護者の方から御連絡を頂く場合は生徒様のお名前も)
●有償または無償のいずれかの希望
●無償アドバイス希望の方はペンネーム
●住所(郵便が届く場所:本人確認情報として使用します)
●セ試自己採点結果(科目別及び総合点)または模試等の結果
●志望大学・学部・学科・入試方式等(第3〜5希望程度まで,私大一般入試等併願校がある場合にはその情報も出来る限り)
を御記載の上,お送り下さいませ.

Share