忘れ去られがちだけれど本当は重要な,国語(現代文)の勉強方法(3)高校国語本格着手編

今回記事では,前回記事(2)http://wp.me/p6S43T-d9中学国語補充編の復習が完璧に出来るようになった人,あるいは前々回の(1)基礎学力測定編で「合格基準」に達した人を対象として,本格的な高校現代文の学習方法に進んでいきます.

使用する教材は,市販の「出口のシステム現代文 ベーシック編」(水王舎) https://www.amazon.co.jp/dp/4864700168 です.「出口のシステム現代文」シリーズは次の「バイブル編」が中心になっている…と一見思われがちですが,実際にはこの「ベーシック編」でも十分骨のある内容となっており,筆者の教え子である東大生らもここからお世話になっている人が少なくありません.

教材の使い方は,これまで(1)や(2)の各記事中で述べてきたのと同様,「自力で問題文および解答の解説が出来る」ラインを目標とします.

具体的にはやや特殊ですが,以下の通りです:

先ず,問題1を「制限時間」を守って解きます.この際,解答だけでなく,問題本文の構造解析も一緒に(と言うか解答に先立って)ノートに書き出していきます.

制限時間になったら,ノートに「ここまで制限時間内」のマークを打ちます.そして,答え合わせは未だ行わず,先に問題本文や設問の構造解析が足りていない(=時間内に解答を作る為には,解析まで間に合わなかった)部分を含めて,構文解析を徹底します.
また,もしこの段階の中で,従前の構造解析や解答に「修正」点が見つかった場合には,色ペン等でその旨を分かるようにして,修正を加えます.ここでの内容は,制限時間を過ぎてはいますが,本質的には解答者である「あなたのもの」です.

ここまでの構文解析・問題解答を「心ゆくまで」行ってノートが黒く(もしくはカラフルに)なったら,初めて「答え合わせ」を行います.注意すべき点として,この段階で先ず答え合わせをするのは「設問の解答」のみです.なぜならば,もし不正答があった場合には,次の補充学習段階を導入する事が必要だからです.

さて,答え合わせで無事満点を取れた方は,おめでとうございます.本項の内容を飛ばして,次の段階に進んで構いません.
他方,もし一問でも不正解があった場合,もしくは「結果的に正答だったものの自信が無かった」設問がある場合には,同書の「解説」部分を見ずして,構文解析をやり直します.
この際,基準は「正答ありき」で結構です.要するに,「自分が何を読み違えたから不正解となったのか,どう読み取れば正解する事が出来たのか」を第一義的に意識して,構文解析の修正を行う訳です.

以上の段階まで完了したら,ようやく本教材の「解説」部分に着手を始めます.この際,「図的解説」が多く用いられている事に着目して,是非自分でも色ペンを持って,これまで演習してきたノートにその出口先生の解説を書き加え,そして「自分のもの」として下さい.ここでの目標も,従前の各教材と同様,「本文および解答の解説を,全部自分で出来るようになる事」です.

以上が,各「問題」1つ1つの学習法になります.
ひとたび構文解析を完了してしまえば,あとは「蝋を型に流し込むが如く」各設問に対する解答が得られる,という感覚を,実感としてぜひつかんで下さい.

これを全10講分やりますが,但し注意点として,問題3〜問題4のあたりで「難しい(難しくなった)」と感じた人には,追加教材による学習が必要となります.(他の箇所で感じた場合も同様ですが)
詳細は次回記事http://wp.me/p6S43T-dgにて解説します.出口ベーシック編が途中で「難しい」と感じた人は,次回記事の内容を一旦学習した上で,再度当教材の「続き」に接続する形で戻ってきて下さい.

Share