大学入学共通テスト,記述式試験も延期か

年内にも来年度大学入学共通テスト記述式試験の延期が決まるかもしれません:

国・数記述式、延期を検討 公平性懸念受け、年内判断へ―文科省
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019120500834&g=soc

当サイト主宰は創立以前から,「試験制度はその試験問題を解く能力しか測っていない」あるいは「試験は一体何を測っているのか」を問題として議論もしてきましたが,ここへきて「公平性」という観点から考えるに,「学歴は金で買える」といった極論が思い浮かんで,頭を悩ませるところであります.

 

「学歴が金で買える」というのは,例えば相応に金の掛かる筆者のような専門家をつければ,ほぼ“誰でも”東大に入れる,というような意味合いです.東大クラスを受け持つ立場で何を言うのか,と思われるかもしれませんが,受講生の側も無論保護者の皆々も,その事は重々承知しています(それは,筆者が敢えて説明している事もあるかもしれませんが).

また,東大生の側も,外部には敢えて言いませんが,その事を分かった上で,社会の波を乗りこなしてきています:「現行制度が自分に合っていた事は運ゲーの勝者たる所以だ」と.

かく言う筆者自身は,並み居る天才達に囲まれて東大生活を送っていたので,むしろ劣等感さえ持っていた事を否めないところですが,かえって「幸せとは何か」といった命題に真正面から向き合うきっかけとなった,とも言えます.

 

「●●大学に行きたい」とロコツに言明する生徒こそ,大学受験競争選抜試験制度においては「勝ち組」になれる傾向にある事は確かです.ただし「その先」に一体何があるのか,未来は誰にも分かりません.
宮崎市定「科挙」を読むと,「書物の中から金銀財宝お嫁さんまで出てくる」と説き伏せる文言が紹介されていますが,現代の高等文官試験である東京大学入学試験・国家公務員総合職試験の「勝者」は,果たして金銀財宝お嫁さんを得ているのでしょうか?

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