これから「クライシスサイコロジー」対応を必要とする人が増える

現象論としてはタイトルの通りなのですが,念のため少し理由を解説しておこうと思います.

 

人間は「コミュニケーション→コミュニティ」を基盤として生活していくように進化してきて(そして生存優位に立って:例えばネアンデルタール人を倒して生き延びて)います.

そうすると,この「コミュニケーション」が直接的に取れない状態が続く(無論,現状のSARS-Cov-2の流行及びその抑止のため)事で,人々の中にストレスが次第に蓄積していきます.中には,既に限界を超えてしまって心身に「異状」が現れている人もいるでしょう.

そして,これから,日本は2回目の「緊急事態宣言」を迎えます.そうすると,外出して「人に会う」活動が更に抑制され,いよいよ個々人の「臨界値」を超える人が出てきます.すると更に,雪崩的に「異状を発する」人が出てくる可能性があり,これが社会問題となる懸念さえも強く有ります.

 

そこで,筆者がここで警鐘を鳴らしてどうするのか,と申しますと:

1つには,全ての人に対して,「これはそういうメカニズムなんだよ」という事を認識してほしい,という意味合いです.「なんだ元来の『仕様』なのか」という事に気付くだけでも,こと心因性の心身異状に対しては特に強い効果を発揮する場合があります.(尤も「対処」が必要である事には変わりないので,最寄りの精神科・心療内科に行って(予約待ちで大抵1か月近く掛かったりしますが…),自分が本当に「ぶっ壊れ」ないうちに,適切な専門家による対応を受けて下さい.)

もう1つは,コーチ達に対する呼び掛けです.クライシスサイコロジーを学んだ事のある人なら御存知かと思いますが,クライシスサイコロジー対応が必要な状況における対策としての方法技術は,本質的にはコーチングと同じです(端的に言えば「ゴールを設定する事」).ですから,コーチの皆さんは(たとえ「クライシスサイコロジスト」等の資格を持っていなくとも),これから増大するであろう,精神的に「謎の違和感」を抱えた人達に対してアプローチし,有効な対策を取ってあげて欲しいと思います.
また,アメリカCDCが公開している「クライシスサイコロジー対処」の方法技術も参考になります:田島大輔コーチのサイトに公開されている日本語対照訳 http://tajimadaisuke.com/favorite/%E3%80%8Cpsychology-of-a-crisis%E3%80%8Dcdc-%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E%E8%A8%B3/ が使いやすいかと思います.

 

以上,コーチ各位は積極的に情報発信し(当記事にリンクを張って頂いても構いません),来たる「大クライシスサイコロジー時代」に耐える旗頭となって活躍して下さい.無論,そんなコーチ自身も少なからず「疲れる」事もあるでしょうから,「コーチ同士」の繋がりも大切にして,「相互コーチング」なども随時行っていくのが良いと思います.

苫米地式コーチング認定コーチ ブリザム

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