共通テスト第2回日程まで1週間を切ったので,付け焼き刃だろうが何だろうが有無を言わせず,考えられるだけの「対策」についてここに述べていきたいと思います.
先ずはやはり第1回試験の反省(あくまでも受験生当事者,それも第2回受験予定者の立場で)から考えていく事に違いないでしょう.詳細分析は予備校の講評だけでは幾分不足するかもしれませんが,有志講師陣が個人としてTwitter等で発言してくれている情報を集めると,意外なくらい有益な反省情報が集まります.尤もこの「調査」にどこまで時間手間を掛けるかは,後述の通り様々な因子とのバーターになりますが,一応「情報は有る所には有る」旨は言及しておきます.
筆者の私感概観としては,旧センター試験に近い出題傾向の科目もあった一方で,「派手に飛ばした」科目も有った,という感覚がやはり強くあります.また,全体として分量も多くなっており,「時間が不足する」科目が目立った,という特性もありました(英語,数学等).
その上に,理科・公民で「得点調整」発動です.この中で注記しておきたい事としては,「受験者1万人条項」で地学が得点調整の対象から外れた事が,特にわざわざ地学(無印)を選択する受験生の中には旧帝大や筑波大等志望で2次試験睨みで地学を選択した人が多かったのではないか,という受験業界的認識を踏まえると,ちょっと痛いところではなかったのかな,という感くらいでしょうか.
そして,いずれにしても,この手の試験に関しては「模試は当たらない」という旨がよく分かった事例と思います.尤も「新制度初年度」という因子も有った訳ですが,向こう数年は「そう簡単に当てられない」状況が続くでしょう.北九州予備校が国語で出題元を的中させたという話はありますが,「総合得点に反映出来る」ほどにまでこの的中を享受出来た受験生は限られていたのではないかと思います.また,”ブラタモリが的中”は関係者以外のワイドショーレベルのネタでしょう.
とはいえ,やはり傾向対策という観点からすれば,第2回共通テストへ向けての学習に際しては,第1回本試現物と,各予備校等の模試の復習が,最優先には変わりないかと存じます.
また,予想問題集(●パック)が未だ手元に未着手で残っていれば,「復習まで完璧に終えられる限りで」解いておくのも良いでしょう.但し,いくら「新しい問題」が載っているからといって手を出し過ぎないように,念の為注意を重ねておきます(共通テスト対策として当サイトで既述の通り).
一方,旧セ試型の対策に関しては,過去問等の「専用教材」が市販教材に出揃っています(一応「旧制度」ですが,手に入れる事はそれほど難しくないでしょう).こちらに関しては,どの程度ウェイトを置いて「出題傾向の類似に懸ける」か,という判断が求められる事になるでしょう.
最後に,「対策」と銘打っておいてミもフタも無い談になりますが,何だかんだ言って,おそらく向こう3年間程度は「安定しない」試験が続くのではないか,と思われます.これは制度変更時(課程更新等)には一般的に見られる傾向ではありますが,こと今般「共通テスト」に関しては,その「落ち着くまでの期間(実施回数)」が長引くのではないか,という話です.
なぜなら,共テの大義名分としては「学んだ知識をベースにした思考力を試す」という事があり,従って「過去問やり込みで対策してくるような受験生は敬遠される」事になる(少なくとも出題サイドの意向としては)のではないかと推測されるからです.
ところが,実際問題としては科目によって時間も厳しかったりして,結局「慣れてる人が有利」という構図は否めません.ですから,上に述べたような「対策」を一応推奨するしかないであろう,というのが本音になる訳です.
殊に今年度は「2次試験を行わない」国公立大学が既に公言されており,また今後も同様の措置が「後から発動」される可能性もが否めない事から,共テでは出来る限り得点を「もぎ取って」おく事が望まれる状況です.しかも,第2回は第1回の「様子を見る」事が出来る構図ゆえ,第2回は難易度が高めに設定される可能性があるとも広く言われています.実際問題として「それを一体どうやるのか」は不明ですが,そもそも第2回受験者は国公立大学2次試験(個別学力試験)までの残り期間に関して「割を食っている」立場にある訳ですから,その分共テで何とか「高得点帯で安全圏を狙いたい」のは当然やむなしでしょう.
なお,上述の「2次試験中止」が実行された場合,共テの得点に加えて調査書の内申点を参考にする大学もありますが,こちらは今更どうにもならない要素なので考えるのは無駄です.そんな事より,粛々と共テで得点を挙げて,2日目夜に自己採点を終えたら,国公立2次出願校を決定して早々に2次対策(なお当然の事ですが,私大を受ける人はその分の対策学習時間も含まれる事に留意)に取り掛かりたい訳です.
そして,国公立大学2次試験の出願日程は,共テ第2回時点ではとっくに始まっているので,共テ「第1回」のリサーチ結果も睨みながら,早々に出願校を決めたいところです.「第2回」受験組におかれましては既に2次試験とのバランスを考慮に入れながら受験勉強をしてきた事を願うばかりですが,第1回受験組以上に2次対策の受験勉強に全力投入していきたい由であります.
まとめますと,何しろ日程的に第2回受験者は厳しい立場にある事は明らかなのですが,その中でも上述の通り「何としてでも1点でも多く総点をもぎ取っていく」心意気を随時忘れないで頂きたいと思います.また,今回試験制度では特に,各科目毎に「第1回と比べて難化易化如何」といった情報が飛び交うかと思いますが,”例によって”2日目全科目試験終了後自己採点完了まではそういった声は無視しましょう.健闘を祈ります.