カミングアウト(セクシュアルマイノリティ)についての一例

所属する組織(非公開)の中で,約一千人規模を前に「性的少数者である旨」をカミングアウトしてみました.

すると,やり方が恣意的(述べ方が「人権」を問う言い回しの流れ)だった事も効いているのかもしれませんが,意外にも(?)知人達からは「あぁそれ言うんだ」くらいの反応で,おおむね好意的というか,「薄々分かってた」という感じだったのが印象的でした.そして,知人らからは「だから付き合い方とか何が変わるという訳でもない」とのコメントも頂きました.

私自身としては,嬉しかった反面,「こんな事ならもっと早々に声高に言うべきだった」とさえ思いました.

機を見て(特に,Yahoo! Japanが性別欄を「4択」にした事が大きい)実行に移した事ではありましたが,「もっと早く大っぴらにして楽になれた」との思いを強くしました.

以上,“後輩”への参考例として,私自身の実体験を御紹介とさせて頂きます.

Share

センター試験直前期に出来る勉強法

今年度は日程の都合上,センター試験の日程が「史上最遅」となっています.これを利用して,「1月に入ってからの追い込み」が例年よりも重厚に詰め込める態勢となっています.
従いまして,本稿ではこの「本当の直前期に出来る詰め込み」学習方法について述べてみたいと思います.

先ず冷静に考えて欲しいのは,当サイトでも繰り返し述べてきている事ですが,「得点の安定化」です.センター試験…というより「合否判定一発ではなく,得点の分布が問題になる試験」においては,平均点以上を狙う限りこの「取れる得点を確実に取る」ための対策が必要不可欠となります.

その具体的方法論としては「既知の問題演習の補完」が挙げられます.既に使ってきている問題集がある人はそれを,無い人は今年度のセンター型(マーク式)模試の問題と解答・解説を,確認のため解きながら読み込んでいきます.特に模試はそれ自体が予想問題集ではありますが,周辺知識(往々にして解説に収録されている)からの出題も充分有り得ますので,漏らさず復習するようにして下さい.

筆者自身の経験でも,直前まで付箋を貼ったり剥がしたりしながら復習を重ねていた問題集が「的中」した事例は複数あります.また,正答出来るようになる事で身につく「自信」も,本番戦略という「超高度な緊張感の中でのメンタル面での立ち居振る舞い」には小さからぬ影響を与えます.

「解答を憶えてしまうと役に立たないのでは?」との疑問があるかと思いますが,センター試験に限らず(科目にもよりますが)実際に大学入試では「過去に出題された問題の知識を使って解ける設問」が出る事は決して稀ではありません.試験当日直前の休み時間まで利用出来るものは全て利用して,あらゆる手を尽くして「自己最高得点」を獲り,ひいては「逆転合格」に貢献して頂ければと存じます.

Share

満20年を迎えました

当サイト主宰の教育職が,今月で開始から満20年となりました.ここまでお世話になった皆様には深く御礼申し上げます.

高校入試の対策プリントを作るところから仕事をスタートして,塾講師を務めたり,某公的試験の模範解答を添削修正したり,現在非公開の某社オンライン教育サービスに授業を提供したりと,色々な事がありました.

その中でも大きな割合を占めているのはやはり,「個別指導」という名のプロ家庭教師業であります.教え子には東大生も医師・歯科医師もおりますし,また各方面で「成業」した面々の活躍ぶりも,インターネット検索の片隅から垣間見えるところです.

此の度の周年を一里塚として,今後とも職務に励んでまいりたく,どうぞ宜しくお願い申し上げます.

Kazmi Blizzam-Takakura

Share

センター試験「目標得点帯別」今から出来る対策リスト

今年度も河合センタープレが終わり,大学入試センター試験本番まで残すところわずかな機会となってまいりました.
という訳で,センター試験本番目標得点ライン別に,今から出来る「対策」を概観してみたいと思います.

●セ試「7割」に届かなくて困っている人
基礎学習に不十分な点はないか,今一度確認して下さい.これまで使ってきた教材の中で,(センター試験自体はマーク式であるにもかかわらず,敢えて記述で)「自力で書き出す」事が出来る内容がどれだけあるか:これが1つの目安となります.この水準に達している分野の「合計割合」が,おおよそセンター試験本番での得点の期待値となります.負荷は大きいかと思いますが,目標に向けて出来る事を丁寧に積み上げていきましょう.

●セ試「8割」に届かなくて困っている人
もしかすると,ここに該当する人が当サイトのボリュームゾーンであるかもしれません.センター試験で「8割」を狙い得る人というのは,一応の基礎学習は足りているはずですので,これまで学習してきた(はずの)内容を如何に「取りこぼしなく」得点に変える事が出来るか,が勝負ラインになります.必要に応じて問題演習(復習込み)を徹底し,得点期待値の万全性確保を図りましょう.
また,センター8割というのは「国公立大学では相応の水準だが,私大セ試型方式ではコストパフォーマンスが悪い」水準の典型です.併願私立大学の入試日程が2月の学習時間を食う事も念頭に置きつつ,第1志望をにらんだ学習につとめて下さい.

●セ試「9割」に届かなくて困っている人
このラインを目標とする必要がある受験生は,医学部・獣医学部等でセンター試験の配点比率が高い場合か,もしくはセンター方式で難関私立大学を狙う人に限られると思われます.逆の例として例えば東京大学などでは,2次試験の配点が高いために,センター試験で高得点を取っても決して「安泰」とはいきませんし,またあるいはセ試で多少失敗しても「足切り」を受ける恐れは低く,おおよそ得点率85%程度あれば出願は十分可能です(実際,筆者の教え子でも,この水準から言わば「逆転合格」を果たした例は複数存在します).
従いまして,センター試験で本当に「9割」を目指す必要がある人というのは,相当な緊張感をもって試験全般に臨む事になるかと思います.ミスが許されない以上,「確実性を上げるための学習」に12月以降学習時間の“9割”を投入する事になるでしょう.また,万一センターで「失敗」した際の対応(受験予定校変更等)についても,冷静に計画しておきましょう.敢えてコーチング的文脈で言うなら,「ハイエフィカシー」と「無鉄砲」は異なります.試験の性質が分かっている訳ですから,真っ向から対策としての「用意周到」な計画を立てて臨みましょう.

Share

社会構造とコーポレートコーチング

以前記事「『ガリ勉』は相応の社会的地位と責任立場を獲得すべし」(http://wp.me/p6S43T-aE)の中で,「パートタイマー」という語義の文脈が今一つ不明である,とのお問い合わせを頂戴しましたので,念のため解説を加筆します.

まず結論から言うと,「パートタイマー」という括り自体に特段の意味はありません.ただ,件の会話をしていた彼等に共通する分類が「パートタイマー」であった旨と,それ以外に共通する括りが見出せなかった旨とが単に合一した結果です.

但し,当サイト読者には薄々お察し頂いていると思われる通り,斯様な状況が結果的に「社会的階層の固定化・対立化」を招く可能性はあります.この点について,以下でもう少し詳述しておきましょう.

先ず,筆者である私は決して,「高学歴(※)集団 vs. パートタイマー集団」のような構図が出現する事を望んでいません.しかし実態としては,先の記事で挙げた例はまさに「対立構造」そのものであり,筆者が最も懸念するところの対象現物であります.(※:本来は「学校歴」と称すべきである誤用の典型ですが,広く使われ通用している現状を鑑みて原典のままとしました)

筆者はかつて,当サイトを立ち上げた際に「ロールモデルをつくりたい」と弁明しました.しかしこれは決して,かかるロールモデルが「対立的構造」を生むべきものではありません.これはむしろ,社会構成において「分業化」の認識を持って各役割(role)が果たされるべきものであり,それはまさに「コーポレートコーチング」の射程範疇であります.あるいは,“セルフコーチング”の方法論として喧伝されてきた面の大きいTPIEなどに関しても,実際には「コーポレート」への導入実績が大きい事が知られています.

「社会に果たす役割」とは「職業」の定義ですが,高学歴集団も「プロアスリートの類似」としての職業認識をもって,本業に集中出来る事が望ましいと言えましょう.

Share

「大学入学共通テスト」試行テストの箇条書きレビュー

少し遅くなりましたが,「大学入学共通テスト」(今年度まで行われる「大学入試センター試験」の後継)の試行について,特に記述問題が追加された分野を中心に箇条書きレビューをしてみたいと思います.
https://www.dnc.ac.jp/daigakunyugakukibousyagakuryokuhyoka_test/index.html

国語(現代文)
●論述形式の出題は「東大入試を水で薄めたような感じ」
∴東京大学受験生は有利になる
⇒報道にもある通り「二極化」は有り得るだろう
●また「TOEICの日本語版」のような印象もあり

数学
●日常生活に密着した「経験論から一般則を導く」誘導は,
私の言葉で言えば「数学語が身になっているか」が問われている
●命題が偽である事の照明に「反例」を使う構想は,例えば東京大学の斎藤毅教授の論にも合致している
●誘導形式の出題が強烈なのは現行のセンター試験と一緒

不慣れな受験生は時間を浪費しがちなので,「出題形式に慣れる事が重要となる」のも現行のセンター試験と同様

全体として,国立大学受験生にとっては有利化の面が大きいと思われる
⇒旧「国立大学共通一次試験」の復活か??

現代(そして将来)において,「高等学校で何を学ぶべきか」について模索が続けられているようには見える

Share

「受験勉強ゲーム」を素人が楽しめるように出来るか

先のYuta Kawasaki氏よりもう一題“宿題”を頂戴したので,御回答までに.

結論から言うと,現在私が持っている解答の限りでは,やはり先述した「ガリ勉の地位を(再)向上させる」くらいしかないかと思います.

もっとも,私自身が今やっている事は,どちらかというと「ひとまず『プロ受験生』を育て上げて,実力に応じた“リーグ”の中で楽しんで活躍してもらう」に近いのですが,これを更に「アマチュアにも親しんでもらう」まで拡張すれば,一応所期の目的は(形式的には)達成されます.

とは言いつつも,私が必ずしもこのルートを推奨出来るかと言えば,そこは誠に微妙です.

というのも,この筋は今まさにeスポーツが辿ろうとしている道を「逆行する」形だからです(なお,この方面に関しては,黒川文雄さんやその周辺の方々が詳しいでしょう):即ち,「過去には価値があったが今では薄れかけているものを再興する」という構図ですから,果たしてどれだけ意味があるのかは,慎重に問うた方が良い.

その点では,まさにYuta Kawasaki氏が指摘されたように「早くアメリカ型に移行」した方が良いのかもしれませんが,私の認識では今一つソフトランディング出来る道筋が見いだせません…日本の大学が沈没してしまう前に,妙案が見つかる事を願うばかりであります.

Share

受験勉強は果たしてどこまで必要か

「受験勉強ってそこまで必要ですか?」というお題を頂戴したので(thanks to Yuta Kawasaki),私なりの回答を試みてみようと思います.

端的な結論としては:苫米地英人氏のいずれかの成書で節題となっていた「理学のアメリカと工学の日本」という括りに含意が込められています.

これを換言すれば,受験勉強は「従来の日本型を突き詰めるのであればなお必要,アメリカ型で尖端を目指すのであれば改変を要する」という事になります.

日本型の受験勉強は,言わば「やり込みゲーム」の様相を呈しています.これを小平邦彦先生以来の亡霊と見るか,あるいは河東泰之先生が何と仰るか気になるところではありますが,いずれにしても,現代の受験勉強に織り込まれている「やり込みゲー」要素の源流がこのあたりにある,という事は言えそうです.

いや,「日本の東大京大は『十年に一人の天才を発掘出来ればそれでよし』なのであって,小平邦彦も河東泰之も斯様な人材だ」と言われる向きもあるかもしれませんが,私はそうは思いません.「演習の果てに成果がある」とは,まさに河東先生も仰っている通りです.

そこへきて,高等文官試験以来の流れを汲む東大入試~国家公務員試験制度を概観して言われる「進振り(進学振り分け)悪論」が比肩されるのかもしれませんが,かく言う私自身も進振りを「上手く使って」現在に至っています.いや,「私自身が二流官僚(の亜種)の典型である」とまで言われればそれまでかもしれませんが,そこまで言う人はもはや私に用は無いでしょう.

幾分駆け足の小論になりましたが,ひとまずの御回答までに.

Share

不動産方面の最近の仕事

拙宅を含む一連のマンション群(団地)が大分老朽化してきたので,警鐘を鳴らすべく資料を各戸配布させて頂きました.内容はおおよそ既知のものですが,触れていない人には遠い話ではないかと危惧された為,今回自腹を切って決行に踏み切りました.

「2億円規模の仕事」をしてからもう5年近くになります.宅地建物取引士の免許も更新期日が近付いてまいりました.マンションの大規模修繕や建て替えは,困難を極める一大プロジェクトですが,出来る限り実現に向けて資するよう,心から願っております.

資料では著名例として多摩ニュータウンの例を引き合いに出させて頂きましたが,実は拙マンションも「容積率の完全使用+行政当局による容積率緩和」の目処が立つ案件であります.その結果は奇遇にも,多摩ニュータウンの先例と非常に類似する結果となる事も,また計算上判明しています.

ですから,実は先ず当局に話をもっていく事が非常に肝要となるのですが,そこまで理解している人は恐らくなかなか居ないのではないかと思われまして,今回の自腹各戸配付と相成りました.少しでも当マンションの将来展望の助けになれれば幸いです.

Share

「ガリ勉」は相応の社会的地位と責任立場を獲得すべし

以前記事「大学受験生もアスリートなのだからコーチは必要」 http://wp.me/p6S43T-90 でも書きましたが,こと大学受験という局面において,「そこに取り組んでいる当事者・関係者と,世間一般の認識とのズレ」はなお大きいと見えます.これほどまでに情報伝達が迅速化した現在において,未だ斯様な「情報の偏在」が生じ続けているさまは,異様にさえ映ります.

またこれは,直近も相次いで報道されている「高学歴不祥事」における観点に際しても同様です.

もう一つ,筆者がつねづね考えている事があります:それは,「ガリ勉はカッコ悪い」という風潮を払拭すべし,という論点です.

何しろ,前述記事の通り「大学受験生はアスリート並み」なのですから,それ相応に見られて然るべきだし,逆に言えばそれ相応の責任を負う立場でもある,という事に違いはないからです.

筆者は最近,件の「高学歴不祥事」が報道されている傍で,当該事件について会話をしているパートタイマーの方々の話に耳をそばだてる機会を得たのですが,何よりも先ず「相互理解が足りていない」と感じました.ですからこうして日々サイト記事を更新しておるのですが,願わくば斯様な「共通認識」が広まってくれる事を祈るばかりであります.

Share