線維筋痛症の経過報告

どうやら,線維筋痛症の疼痛は,神経に過負荷が掛かると悪化する…場合もあるようだ,という事までは,経験則として分かってきました.
尚これは,既に知られている臨床報告例にもある内容です.

また,PTSDなどの因子や外傷がきっかけとなって発症・悪化する事も知られており(https://www.healthcare.omron.co.jp/resource/column/topics/127.html),こちらも私自身の症例に関係するところもあるので,引き続き注視しながら情報を集めていきたいと思っています.

調べてみると,どうやら意外とTV番組等でも採り上げられているようですね.この小稿も含めて,より多くの方に情報共有が成される事を願っております.

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線維筋痛症の予後(短期)速報

おはようございます.早朝起きたら昨日の点滴鎮痛剤の効果が切れていて激痛が走っておりました.
現在はひとまず頓服薬の効果で「痛いけれども動ける」程度になっております.起きた時点では「痛くて動くのも辛い」状態だったので,相応の効果はあるものと思われます.

しかし,昨日の時点では「ほぼ痛くなくて動ける!」だったので,出来る事なら今後の治療でもこの水準を目指していきたいと思います.担当してくれた看護師によると,「薬をどこまで増やせるか」の上限はあるとの事で(直感的にもそりゃそうだろうという感じですが),医師の判断に基づいてどれほどの差し込んだ治療が可能なのか,引き続き期待したいところです.

 

今回の一日二日の治療で体感として分かった事は:
線維筋痛症がQOLを下げているのは,圧倒的に「痛み」によるところが大きい,という旨です.一見当たり前と思われるかもしれませんが,従前の私の場合,身体が痛くて動けない際には鬱々と「寝る」といった選択肢もありましたので,「痛みさえ無くなれば相応に動ける(場合もある)」という事は,反省項目の一として知っておいても良いのかな,と思った次第です.

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線維筋痛症は「障害」ではない?!

線維筋痛症の難しいところは,おそらくその疾病内容と診断基準にもよるのでしょうけれども,こと「社会的支援が届いていない」という点においては,なかなか厳しいものがあります.

 

例えば,「難病の患者に対する医療等に関する法律」(難病法)に定める「指定難病」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000084783.html)においては,線維筋痛症は含められていません.(ちなみに,旧「特定疾患」はここに含まれます.)

また,「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」
http://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/shougainenkin/ninteikijun/20140604.html
を参照しますと:

>第9節 神経系統の障害
http://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/shougainenkin/ninteikijun/20140604.files/3-1-9.pdf
>2 認定要領
>(3) 疼痛は、原則として認定の対象とならない(後略)

という事で,この定義に従えば,原則として線維筋痛症は障害認定の対象ともならない事になります.

 

無論,当然の如く「線維筋痛症を指定難病に」といった社会的な動きもあるようなのですが,現状では途は遠い,と見えざるを得ません.

 

人口比では,推定約1.7%(日本国内で約200万人)の罹患者が居るという事なので,むしろもっとメジャーな対応が採られてもいい気もするのですが(上述「指定難病」には「稀少性」の定義もが含まれています),やはり診断の難しさが効いているのでしょうか…

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【近況報告】「線維筋痛症」の診断が出ました

最近はあまり私自身の身体や健康について述べていなかったのですが,この度「線維筋痛症」の確定診断を受けましたので,皆様へ御報告させて頂きます.

Wikipedia日本語版の当該項目を見ると,過剰とも思えるほどの情報が掲載されておりますが,根本的なところで「未だよく分かっていない」部分も大きい疾病である旨には,なお留意が必要かと存じます.

私の場合は,先年後半頃から,疲労感を伴って身体の各部位が痛むようになり,そのために活動が鈍り,予定や約束事をキャンセルせざるを得なくなる場合が増えておりました.
そこで「さすがにこれはおかしい」と思って,インターネット検索で得た情報から「線維筋痛症」のキーワードを辿り,専門医にかかったのが最初です.
但し,初診からこの度の確定診断までには,半年を優に超える期間を要しました.(主治医によると,初診で確定するケースは寧ろ稀だそうです.)時間が掛かって症状が出てくる,という特性をも有する疾病の模様です.

本件の状況に伴いまして,今後の私の活動は,可能な範囲に限って行わせて頂く意向です.既にお約束をキャンセル等致しております皆様には,遅ればせながらこの場にてお詫び申し上げます.

マイナーな(と言うよりなかなか知られていない)病気という事もあって,もし出来る事なら,私自身の症状の経過報告等も随時行っていければと思いますが,症状上どうなるかは分かりません.とりあえず本記事は,点滴の鎮痛剤が劇的に効いている内に執筆しております.どうか各位ご寛容下さいませ.

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進学校なら「自律自制」は果たして通用するのか

生徒が部活動運営、驚きの取り組み 顧問の“拒否権”も 横浜の高校 教師の負担軽減にも
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180519-00010001-nishinpc-soci

論題は素晴らしいのですが,注釈を1つ:
これは「希望ケ丘高校だから出来る」のであって,必ずしも「進学校だから出来る」ではないように思われます.
記事注意にもある通り,同校は

>東大安田講堂で学生と機動隊が激突した1969年、この高校でも生徒たちが声を上げ、生徒心得(校則)と制服が廃止された。

という歴史をもっています.
このバックグラウンド無くしては,本件記事のような“偉業”も成り立たない.

かく言う筆者の母校では,制服の制度廃止(「標準服」化)が,生徒ら自身によって否決された,という有様です.往時は進学校として希望ケ丘よりも格上だったはずですが…

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青チャートを使いこなせていない受験生のために

さて,それでは,前回記事で述べた「青チャート使用可」水準に達していない受験生は,どうすれば良いのでしょうか.

結論として,先ず今後の受験勉強で青チャートを使う機会は無い(かもしれない)と,覚悟を決めて下さい.

その上で,「補充学習」を徹底する必要があります.

高校数学教科書+市販の教科書ガイドで「章末問題」までを解けるようにするか,あるいは進学校で4STEPやスタンダード等の傍用問題集が「解答・解説別冊」込みで配布されている場合には,それらを使って学習を進めます.例題及びB問題を解けるようになるのが目標です(時間が足りない場合には,傍用問題集なら*印の問題を抜粋して使用).

ここまでの段階で,前述の「センター9割」には届くはずですが,もし足りない場合には,一旦センター試験即応型の問題集を追加して,得点力の底上げを図り「目に見える」成果に到達しておく事も大切です.
さらに上を目指す場合には,黄チャート(レベル5問題は除く)か,同程度の水準の教材を追加すれば,「1対1対応の演習」の手前段階までは届くでしょう.

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「青チャート」は使い方が難しい

以前記事http://wp.me/p6S43T-6nで「手元の青チャート」などと盛大にdisっておった訳ですが,この意味するところをもう少し丁寧に述べ直してみたいと思います.

まず根本的に,青チャートは使いどころが難しい教材です.和田秀樹氏の古い著書「青チャートで東大理IIIも受かる」の文言が現代果たしてどれほど通用するかはともかく,この教材の「目指す水準」は相当高いものがあります.

従って,当然の事ながら,「入り口」のハードルの高さが気になります.高校数学の初学者から始めて,青チャートへ接続すべきモデルプランとなる学習計画は,筆者の指導経験の限りでも今一つ思い浮かびません.

端的に言うと,「青チャートを使いこなせる人には,青チャートは要らない」のです.
…これは無論,反面のある言い回しであって,実際には「青チャートを使える学力水準に満たないのに,あまりにも無理をしている」受験生の何と多い事か(!).
実際,筆者の仕事の多くは,先ず斯様に無茶な教材と格闘して「負傷」しかかっている受験生を,差し止めて説得するところから始まります.皮肉な事に.

それでも青チャートを使いたい人へ:先ずセンター試験の過去問で,数学IAIIB合計9割以上の得点が出せる事を確認して下さい.指導経験上,青チャートをマトモに使って良い学力水準はこのあたり以上です.

但し,この水準に満つる受験生にとっては,青チャートはもはや無用の長物(特に物量が多過ぎる,割に最終目標に対してレベル不足)かもしれません.そこまで到達したなら,受験勉強の中級編以上に進んでも良いでしょう.典型教材として例示すれば「大学への数学 1対1対応の演習」等の水準です.

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東大合格者数ランキングに見る「日本の大学凋落」への懸念不安

難関・有名大学合格者ランキングの,サンデー毎日・週刊朝日等の「確定版」が出揃いましたね.
これを見て思うところは諸々有るのですが,1つには「今までそこまででもなかった高校の躍進」が人数的に目につく,という点です:特に東大合格者数1桁台での実績をつぶさに眺めていると,その傾向が気になり始めます.

 

他方で,世界の教育における日本の大学が占める位置は,斯くの如くなっています(情報 thanks to 旧友Ralf氏):

Best Global Universities for Computer Science in Japan
https://www.usnews.com/education/best-global-universities/search?country=japan&subject=computer-science&name=

この2つの情報を並べて見ると,「日本の大学は既に逃げられているのではないか」という懸念が,つい脳裏に浮かびます.

 

日本の大学入学選抜事情は前回記事でも概観した通りですが(なお続報「共通テスト、民間活用に大学は及び腰 「合否判定に使わない」東大の方針が影響 疑問の声相次ぐ」https://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/403938/),その結果が単にガラパゴス化のみならず「退化」あるいは「斜陽」とあっては,襟を正す暇も無いほどに危機感を持たなければ到底生き延びて(survival)いけないでしょう.

統一試験を骨抜きにしている場合か,と苦言を呈する一方で,「そんな程度では使い物にならない」との評にも異論を呈せない程度と,筆者には見えております.

せめて日本の高等学校がマトモに機能してくれれば,と思わずには居られないのですが….

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東大の意向を汲まなければ教育カリキュラムは「骨抜き」になる

元情報はこちらです:

東大、英語民間試験を使わない方向 大学入学共通テスト
https://www.asahi.com/articles/ASL3B51M8L3BUTIL013.html

東京大学はこれまでにも,大学入試センター試験における英語リスニングの得点を合否判定に用いない(配点0)など,独自の意向を強く打ち出してきていました.

また,斯様な論点に際しては,往時幾分ぼかして述べていたものの,当サイト記事でも概観していた通りです(「大学受験コンサルの思う事」http://wp.me/p6S43T-7A).

 

「なんで東大(あるいは国大協)が全国統一試験の結果を無視するの?」と思われる方もあるかもしれませんが,

端的に「そんなものは基準として使えないと認識されているから」

です.

 

現在(まで長らく),東京大学入学試験の英語問題は,主に駒場キャンパスを活動拠点とする教員らによって作成されてきています.(手元に情報ソースが無いのですが,例えば「東京大学新聞」では,しばしば出題者インタビュー等の形で責任発言を取っている記事を見る事が出来ます.)
その中には当然の如く英語ネイティヴ教員も多数在籍しており,外国語教育環境として考えた際にも決して「ぬるくない」し「申し分無い」と評して過言ではないでしょう.

そんな東大駒場教員陣に無視される統一入試制度が,結果「骨抜き」になる此の刺し合い状況.
もはや言うまでもなく,日本の教育の地盤沈下は目に見えており,このままでは「逃げるが勝ち」状態に陥りかねません.

 

これは何も英語に限った話ではなく,”世界トップクラスのカリキュラム”(http://wp.me/p6S43T-7E)を誇る日本の学校教育制度は,一体いつになったら有効に機能してくれるのでしょうか.

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国公立大学後期試験への取り組み方

本日までに多くの国公立大学で2次試験前期日程が終了し,これから後期日程に向けてあらためて試験対策に臨まれる受験生も少なからず居る事と存じます.

後期入試対策の原則は,既に当サイトで述べてきている一般の方法論と全く同じです.但し国公立後期は特に残された時間がシビアではありますが,他方では「他の入試日程はおおよそ終わっている=目前の『最終の機会』に集中注力出来る」という意味もあり,必ずしも不利とは言えない程度に「可能性があります」.
「合格したら進学する」との意欲を持って真摯に取り組んで下さい.

 

なお,大学によっては出題形式が前期試験と大幅に異なり,初見時には一瞬問題文が何を言っているのか読解する事に苦労する…といった例も,珍しくない程度に存在します.
しかしこういった場合でも,出題者が問うている事は「高校卒業程度」の範疇を大きく逸脱しません.むしろ,「知っているはずの事柄をいかに縦横に活用して問題文を読み解きほぐし,題意を把握するか」が問われているケースも多くあります.「知らない(初見の)問題を,知っている学修内容で解きほぐす事を,受験生に要求する.」これは前期・後期また国公立・私立の別を問わず,広く大学入試一般に通底する理念なのではないでしょうか.

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