筆者の疾病(線維筋痛症)の近況と,ピルと大量のビタミンCを同時摂取するとマズいという話はガセネタである旨の怒拡散と,慢性疲労症候群の名著を絶賛拡散したいけれどもやはり病名は筋痛性脳脊髄炎を普及使用すべきではないかと思料する件について

えーと,おおよそ2~3年位前から当サイトの記事をお読みになっている方には御承知かと存じますが,筆者は現在,線維筋痛症(せんいきんつうしょう)という持病を抱えています.詳細はWikipediaの日本語版が既にだいぶ詳しいのでそちらを概観されれば一旦はよいとして,生涯有病率約2%,性差5~8:1で女性に多い(医学的にも性別が無い筆者のカウントはどうするのか??苦笑),とそれなりに「そこそこある」疾患なのですが,日本での受診診断数は異常に低く未だ数万人レベルで,毎年蓄積で統計数が増えていったとしてもまだ桁が足りないという認知状況でありまして,この状況はやはり何とかしたいと思うところな訳です.

そして,かく言う筆者はこの度,そのWikipedia項目でも挙げられている日本の線維筋痛症の権威のところへ転院となりまして,初回診断が「やはり線維筋痛症には間違いないだろう(全項目適合)」と,鎮痛すると怠さが出る事から対策として「甚大量(4500mg以上/日)のビタミンCを摂取してみて下さい」という話になった次第で.
ところが,一方で生殖腺を全摘している筆者は,更年期障害が怖いので低用量ピルを常時服用しておりまして(その意味では特定の性別方向へ「寄せている」とは言えるかもしれません;閑話休題),そこで検索で出てくる「ピルと大量のビタミンCの同時服用は危ない」という話(これについては以前から情報見知っていました)が気になりまして,そこを調べ直してみたところ,

20年以上前に本邦でも否定されているとんでもないガセネタが現代に至るまで罷り通っている

という事が判明した訳であります.そんなガセ香具師こそとっとと回線吊ってイッテヨシ(古

 

根拠文書はこれです:厚生労働省「経口避妊薬(OC)の安全性についてのとりまとめ」
https://www.mhlw.go.jp/www1/houdou/1106/h0602-3_b_15.html

>OCとビタミンC(VC)との相互作用については、Backら1)が5例のデータで相互作用があると報告しているが、その後確認のため37例を用いて検討された結果、VCの併用でエチニルエストラジオール、プロゲストーゲン(レボノルゲストレル)の血中濃度の上昇は認められず2,3)、外国添付文書の相互作用のある薬剤にも記載されていない。

上記サイトをスマートデバイスから見ようとすると,何故か文字化けして全く読めないのですが(昔のHTMLサイトにありがちな気も…),厚生労働省におかれましては,20年以上前のプレスリリースでも重要記事は読めるように,メンテナンスをきっちり行って頂きたいものであります.
そして,ページを戻り辿っていくと分かる通り(https://www.mhlw.go.jp/www1/houdou/1106/h0602-3_15.html),この資料が公開されたのは前世紀,1999年6月の事です.ヱヴァンゲリヲンが未だエヴァンゲリオンだった頃の話です.

 

と こ ろ が,

今あらためて各検索エンジンでサーチしてみると,今世紀に入ってどころかほんの過去数年,2017年~2021年(今年)あたりに最終更新されているサイトでさえも,平然と「低用量ピルと多量のビタミンCを同時摂取すると,高用量ピルを服用したのと同じ状態になって副作用が強まる」などといったテキトウなク●俗説がのうのうと罷り通っておりまして,これはもう当サイトの検索ランキング上位狙いを以って全力で刺しにいくしか無いであろうと,義侠心に駆られて記事を書いております.一瞬「殺意」って言いそうになったのはここだけの話だク●が(自重しる我

 

という訳で,晴れて「低用量ピル服用とビタミンCの大量投与療法は両立可能」という話が,ガリゴリ調べてようやく落着したのでした.筆者が「外科的一発更年期」状態になって服用を始めたのがもう10年近く前ですから,その間丸々これらの「俗説」に,しかもそれらが積み重なってゴミがゴミを生んでいる状況に,騙されていた訳です.絶許拡散.

 

◆◆◆

 

そして,今回記事のもう1つのトピックはこちらです:

ある日突然、慢性疲労症候群になりました。: この病気、全然「疲労」なんかじゃなかった…
2019/4/8
倉恒 弘彦 (監修), ゆらり (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4772613803

Kindle版にもなっていて手に入りやすい本著は,内容が片っ端から見ていて大変痛々しく,ページをめくる度にその描写のエグさに吐きそうになりながら,しかし重要内容が実体験に基づいて多く盛り込まれているので,関連分野疾患を抱える身としては必死になって読む訳です.
そして,同書中のコラム的な1ページに,「線維筋痛症」についての言及が参考情報として書かれています:ここを見ると,あれほどエグい著者御本人の慢性疲労症候群よりも更に酷い疾患であるかのように概説されており(尤も日本語版Wikipediaの記述も似たようなものですが…),治療薬の効能で一応動けている筆者の立場からすると,何だか申し訳ないような,さても重要参考情報には違いないし,また「併発」する事例もあるようなので(例えばAmazonの著書レビュー参照),中々無視出来ない内容でして,当方は毎頁襲ってくる吐き気をこらえつつ,一挙に読み通してしまいました.

その一旦の結論としては,やはり慢性疲労症候群は「筋痛性脳脊髄炎」といういかにもヤバそうな名前の方を普及使用していくべきである,という事と,あとはやはり,著者ゆらり様御本人の「その後」に関しての心配が尽きません.恐らく相当の期間を有したであろう漫画を描き貯められたものが,成書の形で約2年前に公刊された後,著者様の動向は現状オンラインでは不明です.プロフィール欄に記載されていたTwitterアカウントは現在無くなっていますし,調べると容易に出てくるnoteやPixivのページも,2年前から「その後」の動向が見えない状態です.

恐らく,疾病の性質からしても決して改善しているとは言えない状況なのでしょうが,それにしても,慢性疲労症候群いえ筋痛性脳脊髄症という「ややもすると命にかかわる」と見える疾病と,線維筋痛症のように「それ単体ではまず死なない」症例とでは,少なからず格差があるかのように感じられました.

 

今回,此の拙文が一人でも多くの当事者・関係者の方の目に留まり,そして,事態の打開へ向けた取り組みに繋げて頂く事が出来ればと思い,推敲もロクにままならない書面へぶちまけさせて頂きました.

なお,当方の線維筋痛症の「痛み」そのものに対する適応薬は,処方量が漸増しております.しかし「痛み」は客観化が難しいので(現院にはそういう装置も有るには有るのですが,現院が「権威」=本邦の線維筋痛症治療におけるほぼ最高峰,という事情もあって,全国区への普及は未だ全然浸透していません),身体障害者手帳の交付対象にはなりづらく,その意味では線維筋痛症患者は「割を食っている」向きは否めないかとも存じます(この「特殊な鎮痛剤=いわゆる通常のロキソニンのような痛み止めでは全く効かない類の脳神経脊髄由来の疼痛を抑制する薬」が,またなかなかの薬価だったりもしまして).
その意味では,筆者が当サイトで病名を公開した当初に述べていた「今後の当方の活動は当面制限されたものになるであろう」との旨は,一面では現在も未だその途上なのですが,どうせ身体障害者手帳が交付されるにしても初診から半年以上先の事になる訳ですので(経過変動しうる疾患なので),そんなに長い間この疾病を抱えたまま過ごしたくもないなあ,と思いつつ,こうして記事を書くなど出来る程度には鎮痛が効いております.

 

ここ数年もまた個人的に諸々ありましたが,歩けるっていいよね,見えるっていいよね,位の感じでしょうか.以上,まとまりなく近況雑感までに.

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来年度の国公立大学医学部医学科を目指す受験生達へ

本年度の受験生当事者の皆さんにおかれましては国公立大学中期・後期日程/私大3月入試への対応を目前のものとして行っているところ,当記事は来年度の大学入試に関する話です.

来年度(2022年初頭)に国公立大学医学部医学科を目指す受験生の中でも,特に旧帝や都市部立地等の人気が高い難関大学医学部を志望している場合,そろそろ悪くとも予備校の全国模試で東大理一がA判定~悪くともB判定以上の学力を確保している事が求められます
国公立大学医学部受験に際しては,「高得点学力」を有しているのは当たり前で,難関たる所以は「得点の安定化」にこそある,という特殊事情を忘れずに念頭に置いて学習取り組みを進めて下さい.
無論,学力自体が未だ追い付ききっていない受験生に際しては,石にかじりつく位の覚悟を持って,十分な学習の質と量を確保して進められるよう,重ねてお伝え申します.

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国公立大学2次試験(個別学力試験)後期日程・公立大学中期日程への対策学習法

先ず,国公立前期試験の帰りの電車内で中期・後期で自分が受験する大学学部の過去問(赤本)を読み始めるところから「中期・後期入試専用の受験勉強」がスタートします(前述).

出願満了時点での受験倍率が一見巨大な数値になっていて気に掛かるかもしれませんが,その内訳実態としては,そもそも前期入試で合格した組がごっそり抜ける上に,どうせ惰性で受けに来る人が多数居るので,実質的に「マトモなライバル」のみを考えた倍率は2倍に届かない程度の事も多いので,数字そのものは気にせず,あくまでも「合格に必要な得点(過去年度の合格点)」を意識して臨む事が妥当でしょう.

また,公立中期に関しては「ランクを下げて」出願してきた”格上のライバル”が含まれる可能性がある一方で,「出願権が余ってるから冷やかしで出すだけ出した」組も居るので,内情は結局上記と大差無い状況になります.即ち,対策も特段変わりありません.

以上の通りですので,ここで「本気の対策」を採れば,かなり有利な合格確率で受験大学の入学試験に臨める事になります.たとえ前期試験でからくも敗北して中期・後期日程での合格になったとしても,受かってしまえば入学後は前期合格組と全く同じです:まさに「勝てば官軍」なのが大学入試の偽らざる本質です(ですから,ここを読んでいる方は無用に気負わないようにしましょう).

 

試験対策の方法自体は,前期の場合(当サイト記事既述)と凡そ同様です.
但し,後期では独特の出題(「総合問題」などと称された出題がなされる大学もしばしば有る)が行われる場合もあるので,いずれにしても先ずは過去問を確認する事から始めます.

もしこの「特殊な出題型式」が一応教科・科目的内容の範囲であれば(科目融合問題等であっても一応これに含まれます),相当する教科・科目の学習に取り組んだ上で(結局この段階は前期入試対策と同様),最後に時間計測を含めてもう一度過去問に臨んで,必要な得点を確保出来ていれば大丈夫でしょう(※融合問題等の場合は,問題文読解や試験時間の感覚が科目別試験と異なるので,習熟が特段肝要になります).なお,ここでの目安も「合格者平均点」である事に注意しましょう(と言うか,「合格最低点」に関しては,定員≒合格者数が少な過ぎて開示されない場合も多い).

なお,「一見して見た事の無い出題」であっても,原理的には高校課程=既にさんざん学習してきたはずの範囲から出題されているので,先ずは本番の時間制限にかかわらずその問題文を「読み解く」事から始めて,その出題が「知っているはずの知識・考え方」で解ける事を確認して下さい(もしこの段階で,学力・演習が不足していると感じたら,その分野は優先的に補強するのが無難でしょう;限られた時間の中からの配分なので,微細なところではありますが).
また,この確認段階で,ついでに「その大学学部の中期・後期入試出題傾向のクセ」をも読み取っておく事にもなります.この点については,実際に過去問に臨んでみれば体感的に分かる事かと存じます.

 

「小論文」に関しては当サイトの特集ページを参照して下さい.
現実問題として,御丁寧に現代文コースからやっている時間はないので,「付け焼き刃」の対策方法を選択して,小論文に与えられた得点配分を考慮に入れながら(試験対策時間全体における比率+小論文という特殊科目の難易度に対する自分なりの得手不得手を加味する),その方法をやり込む事になります.
イヤラシイ言い方になりますが,小論文はロクな対策を出来ないまま臨む受験生も少なくないので,これだけでも大差をつける事が出来る,というのが実情です(当方の指導下で合格実績有).勝てば官軍.

 

◆◆◆◆◆

 

◆当サイト主宰ブリザムは,受験生および保護者の方等に対して,無償または有償でアドバイスを提供します.
「無償」の場合はサイトに表記する際のペンネームを記載の上(無ければ名前イニシャルを使用します),当サイト記事として情報共有する形で,概観のアドバイスを提供する事になります.
また,有償アドバイス(2万5千円)の場合は,より詳細な情報提供や多様な選択肢の提示を,原則PDFファイルにて,非公開で申込者のみに提供します.

無償/有償のアドバイス申込に必要な情報は,以下の通りです:

●名前(無償の場合ペンネーム,有償の場合対価振込人名義)
●志望大学・学部・学科等(国公立出願大学;私大入試は出願・これまでに受験した分を全部,学部学科まで詳細含めて(学科単位でないと募集定員や従って入試難易度が分からないので…)書いて下さい)
●国公立前期受験大学・学部等(主観的出来・予備校速報による自己採点等情報出来るだけ書いて下さい)
●大学入学共通テストの得点(2次で素点以外の傾斜配点・圧縮等が行われる場合には科目ごとの得点も全て)
●学習状況(使用教材,過去に受けてきた模試の偏差値・得点等)
●塾・予備校や通信添削等を利用している場合は,その教育機関および直前期に取った講座の対象レベル
●特に要望するアドバイス内容があればその旨
●その他自由記述(精神的アドバイス等も応需)

有償アドバイス希望の場合は,応募返信にて振込先情報等を提供します.

以上を記載の上,eメールにてnlimeblizzam【at】hotmail.comまで送信下さい.

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心の事故

国公立大学2次試験前日に主宰は一体何をやっているんだ,と思われるかもしれませんが,
先ず大学受験生各位におかれましては,前日も原則として「納得のいくまで≒後悔の無いように」勉強される事を推奨申します.尤も,試験本番で「眠気」は集中力を削ぐので,前日は充分な睡眠も摂り,当日はあまり特異でない食事(重要)!と受験票に始まる受験必須道具一式と,後悔の無いだけの学習教材を持参して(従って荷物が重くなる…),粛々と答案用紙へ実力を書き出して頂ければ幸いです.

 

さて,筆者の身に何が起こったかと申しますと,「趣味のゴールが欠落した」という事が判明した次第です.筆者は周知の通り,苫米地式コーチング認定コーチとして苫米地英人博士の直弟子なので,「ゴールは抽象度を高く,現状の外に設定する」とか「バランスホイール」といった基本的概念については,これまでそれこそ「体得」レベルで修得し,実際に自他共に対して活用も多くしてきました.

ところが,ここ先日の事,ふと「バランスホイール」をなぞり直してみた際に,ある意味で「肝」となる,「趣味のゴール」が消失していた,という事に気付きました.
そりゃある意味でここ直近丸々一年,社会情勢(主にSARS-Cov-2)の為に「趣味的活動」がかなり制限された状態で過ごしてきた事は,他の世界中の各位と大差無いはずなのですが,こと「趣味のゴールが消失した」(なおかつその事に今更気付いた)という事は,筆者にとってはこの上もない大ダメージです.何しろ,マスターコーチ直伝の演習を行っていた数年前には,「全てが趣味のゴールに連なる」と断言するほどの状態だったのですから(無論,それゆえ今般の「ダメージ」も大きくなっているのでしょうけれども).

 

や,大学受験指導を典型とする「教育」も,趣味がたまたま社会的意義を有しているから「職業」になっているだけですが(※この点未修の方は苫米地英人博士各著を参照),それにしても,少なくとも明後日くらいまでは教育に関して特段言うべき事も見当たらず,正直に言って今現在「呆けて」いる有様です.
そんなもの,考えるまでもなく「ロールモデル」(※当サイト設立の理念参照)になど到底出来た代物ではない訳ですが,さて,どうしましょうか.寝溜めは効かないけど寝てでも居りましょうか.

 

あらためまして,国公立大学受験生の皆様におかれましては,これまで学修してきた分の「全て」を、答案用紙(ないし人によっては面接・実技)に吐き出しきって頂きたく,どうぞ宜しくお願い申します.

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当方のSNSアカウントがspam被害に遭いました

表題の通りです.クレジットカード情報等も流出した可能性があるので全ての契約を解除しております.
筆者ブリザムとコンタクトが繋がっている方におかれましては,今般の旨御承知の上,不審なリンクが張られて来ても踏まないよう,くれぐれもどうぞ宜しくお願い申します.
この度は御迷惑をお掛けして申し訳ございません.

ブリザム(日本,2021/02/22,22:33)

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入試本番における「イメージトレーニング」の効

来週の今頃は多くの国公立大学で2次試験(個別学力試験)がそろそろ終了しようかというところかと存じますが,受験生の皆様は本番の「イメージトレーニング」は出来ていますでしょうか~?

意外と重要なのがこの「イメージ」です.但しその作り方にもコツがあって,あまり「大成功!!」しているイメージを作り過ぎると,もし難題にぶち当たった場合に混乱してそのままドボンしてしまいかねないので,むしろ「難問に対峙する」のは前提として,その中でも如何に「総合で合格点を取っていくか」を形にしたイメージとするのが良いでしょう.

「無謀受験だけど宿取っちゃったし観光ついでに」などと言っている人は別として(但しその場合でも,もし「来年」を見据えるならこと試験本番中の時間に限っては全力で「経験」として体得しておいて頂きたいものですが),少しでも可能性に懸けたい人にとっては,大学入試は「最後まで分かりません」よ.実際,12月E判定で本番も「まず無理」と言われていたような人が合格して,筆者の同期として後に高名になっていたりします(学業…は何とかそこそこだったかもしれませんが).

受験倍率1.0倍超の入試においては,実際問題として誰かしら「ライバルを蹴落とす」形で合格していく事となりますが,それはそもそもそういう試験制度に臨む事を決めたあなた自身の責任です.もし彼が浪人に回る事になったら「人生の1年分殺した」事になりますが,この意味で大学入試は「命懸け」の側面を持つ事は否めません.
血生臭い話もしましたが,この構図はあくまでも,日頃私達が肉や野菜を「食い殺している」のと何ら変わりありません.その事実を確認した上で,合格イメージを作りながら,残りの限られた時間を受験勉強に励んで下さい.

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高度情報社会において「本名」と「所在地」を如何に定義すべきか

これですね:

https://twitter.com/inori_design/status/1361889657194045440?s=20
inori Glowing starFolded hands『創作 星々の祈り展』atオンライン!
@inori_design
Feb 17
そろそろ私たち古のオタクはハンドルネーム名乗って20年とか経っちゃったわけで、そうなるともうそのHN戸籍登録すべきだし住民票の現住所はTwitterアカウントを書くべき。え、本籍地? 知らんロリポップサーバとか書いとけ! あ、私NINJAだわ。

筆者の師匠である苫米地英人博士は「実名(HN不可)主義」を徹底していますが,他方では遥か以前に成書で「物理一個人がHN毎に別の人生を生きる」世界観をも概観しています.

ここで筆者が今回気にしているのは,「本名とは何か」という点です.

現状,苫米地博士は「国家行政制度の裏付けが有るもの」という意味で重視されていると見受けられますが,他方で「HNもそれを行政登録すれば本名になる」事も制度上確かでありまして,戸籍法上(日本人の場合)の「名の変更」の事由としては「正当な理由がある場合」の一例として「通称として永年使用した」という場合が認められているので,やろうと思えば「名の変更」は行政上も可能です(但し,一度変えたら簡単には戻せないのと,また「氏の変更」に関しては「やむを得ない場合」に限る,という点には注意を要します).
ちなみに,筆者の場合は公式サイトにも明記している通り,Kazmi Blizzam(かずみ ぶりざむ)は本名です.国籍は公開していませんが.

 

他方,「現住所」に関しては,現状「郵便が届く場所」がその実態と見なされています.従って当然の如く,必ずしも「住民票(住民基本台帳)の記載」と一致しているとは限りません.

そして,「本籍地」に至っては,日本人ならもう「やりたい放題」なのは知っている人なら知っている話です:「東京都千代田区千代田1-1-1」に設定しているオメデタイ人も居れば,政治的主張により北方領土(札幌支局所轄)や尖閣諸島等に設定している人も居ます.但し,サイバー空間にしかない”立地”に設定する事は未だ出来ないので,何らかの物理土地と紐付けて設定する必要があります.オタクの皆さんは,折角だから東京ビッグサイト(東京都江東区有明3丁目)あたりに設定してみるのもよろしいのではないでしょうか.

 

また,幾分「裏技」としては,「法人格で法律上の人として認められてしまう」という方法もあります:名前の冒頭または末尾にもれなく「株式会社」とか「合同会社」とかが付きますが,これをやると本格的に,(住民票ですら許容されていないところの)英数字等も使えるようになります.設立登記に最安の合同会社でも15万円~くらい掛かりますが,どうしても「本名」を名乗りたい方は,検討の余地はあるかもしれません.金融機関口座も作れますし.

 

以上,ひとまず「現行法でHNを本名にして本籍地を出来る限り好き勝手にするには」という観点からお送りしました.

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教育とCBTとサブスクリプションについての概観

偶々大学入試におけるCBTについて調べていたら,ジャスト昨日に提供された文科省の資料が見つかりましたー:

大学入学共通テストにおけるCBT活用に関する検討状況
https://www.mext.go.jp/content/20210216-mxt_daigakuc02-000012828_3.pdf

まぁ,その,元々は「教育におけるサブスクリプションモデルの導入」について調べていたのですけれども.

サブスクリプションについては,以前の生徒募集記事でも触れていましたが,「公正妥当な対価」を実現する為の一歩として機能するものと期待している次第です.近著によれば,「イニシャルコストを無くしてランニングコストに全てを充てた」モデルであるという事で,これは楽しみであります.
尤も,日本の教育産業(公教育を含む)において,果たしてどれほど進捗するかは全く不明ですが.

また,以前記事でも触れていましたが,成書を「読みつぶす」に相当する事が,サブスクリプション的モデルでは一体どのように実現可能なのかどうかも,個人的には気になっております.「書き込み」についてはとっくにPDFその他の各種デジタルフォーマットで実現されていますが,こと「やり尽くす」形の学習については如何?と.
とは言え,「そもそもそんな学習が将来にわたって必要なのか」と問えば,より根源的な話になるのかもしれませんけれども.

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共通テスト重視型大学入試は不利か?

私立大学一般入試の大方が一段落して(未だ有る所は有りますが),あと1週間もすると「本命(※)」の国公立大学2次試験前期日程が始まります(※筆者の出身校程度ですら学年の「4割」が国公立大学を第1志望としていました;地方公立トップ校の中には「学年240人中200人が国公立大学進学,内地元国立は50人程度」といった例もあります).
そこで,今の時点で指導者なりに,共通テスト「初回」の印象的感想を述べておきたいと思います.

 

既に実際受験された(そして自己採点をして各大学に出願した)方々は重々御承知の事かと存じますが,共通テスト重視型の入試は「運ゲー」で高得点を取ってしまった人が合格する可能性が高まる,という構造になっています.
これは「新制度初年度」という特殊事情のせいもありますが,そもそもの根本原因としては,目標平均点を旧センター試験より低くしている(6割→5割)共通テストにおいて,こと「努力が報われる」程度に関して,より厳しい「高得点帯への限界」があると考えられる次第でもあります.

そうすると,当然の事ながら,その中で「コンスタントに得点を取っていく」事も,共通テストではより難しくなってきます.
この傾向については,いずれは「攻略」されていくのかもしれませんが,大学入学共通テストにおいては,今のところ旧センター試験のように「過去問の再活用」に言及されている話はありません.
こうした構造的事情を考えていくと,むしろ共通テストにおいては,今後とも「攻略を避ける」作問出題がなされる可能性すら,考えに入れておいてもよい程度なのではないかと懸念されます;何しろ,共通テストが「測ろうとしている能力」自体が,根源的にそういう方向性を一面に持っているからです.

 

そんな訳で,「共通テストで勝負」はあくまでもその「運ゲー」に勝った人の言に限られるという事で,国公立大学志望の皆様におかれましては,結局のところ「2次で勝負」という話にならざるを得ないのではないかと察します.

此の期に及んでそんな事を言われても,殊に共通テストの配点が高い大学に出願している受験生などは「今更どうしようもないがな」と思われるかもしれませんが,ひとまずは目先の2次(個別学力試験)へ向けて,持てる限りの実力を発揮して頂ければと願います.

2次試験は共通テストとは異なり,出題者(≒採点者=大学教員)との「対話」がまだしも通じる向きがあります(各「選抜する立場の大学」が直に出題しているため).従いまして,使い古された言い方ではありますが(そして当サイトでも繰り返し述べていますが),「答案は採点者へのラブレター」,或いは,ラブレターがこっ恥ずかしいなり古臭いと思われる方におかれましては,さしずめ「自己プレゼンテーション」だと思って,持てる力を遺憾なく発揮して頂ければ,とあらためて願う次第であります.

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「校風」はどこへゆく:早稲田大学を例に

早稲田大学の学部入試が,地震の為東北6県の受験生に対して「大学入学共通テストによる判定」を導入しました:
https://www.waseda.jp/inst/admission/news/2021/02/16/9872/

これで,早稲田大学は講義のオンライン化に引き続いて,遂には学部入試も「外部化」の駒を進めた,という事になります(なお,対する慶應義塾大学は「追試験」を実施する事で対応との話です).

 

既に今年度開幕早々から「(高田)馬場なくして何ぞ早稲田や」とさんざん言われている事かと存じますが,斯様な「社会情勢上の事情」により,早稲田大学のいわゆる”校風”なるものが,敢えて厳しく言えば「解体」されていくかのような様を目の当りにするというのは,少なからず思うところあります(尚,プロフィール等にはあまり詳しく書いていませんが,筆者は実は早稲田大学のゼミに外部生として公式参加していた経験があります).

さても「校風」とはなんぞ,数学者の分際で定義もされていない用語を安直に用いるとは何事か,と一歩目にしてほうぼうから矢が飛んで来そうな言い回しではございますが,早稲田大学に限らず,他の大学においても同様類似の「懸念」は,主に出身者らを発信源として生じているのではないかと思案します.
その中でも,この度早稲田大学が,上記のような制度に則る入学試験制度をも採用した為に,今回特段に採り上げた次第であります.

 

早稲田大学なり高田馬場と言えば,学生が夜遅くまで,或いは更に夜を徹してまで,呑み屋なりカラオケ屋なり雀荘なりで遊びつつ,ああでもないこうでもないと,役に立つのか否かなどお構い無しに論議をたたかわせていた,という印象がやはりあります.
また,全国区の有名大学である為下宿生も多く,下宿先に乗り込めば更に諸々深い事が出来る,という事も当然ある訳で,斯様な経験の積み上げが「早稲田閥(他大生や更には大学生以外をも含む)」の活動を支えていた,という一面は,誠に否み難いものがあるのではないかと察します.

 

全国区の大学と言えば,近年では近畿大学なども受験者が増えて有名になりましたが,それは比較的最近「近大マグロ」が出来てからの影響も大きい事で,昔馴染みの全国区と言えば(規模をも考えて)他には明治大学などが挙げられます.慶應は学年定員が早稲田の約半数という事情もあってか,幾分「学閥」の出来方が異なるようにも見受けられます.

翻って筆者の出身校である東京大学などは,何だかんだ言って結局東京出身者の割合が比較的高く(東京に進学校が集中している事と無関係ではないでしょう),その意味で「全国区」との意味合いはやや薄れます.或いは,日本大学や東海大学なども学年定員規模は大きいのですが,附属校が多い事と,それ以外からの「大学入学組」において,全国区としての割合が然程大きくないのではないかと考えられる由です.

 

また,早稲田大学の大学からの入学者においては,その上位層を東京大学不合格組(特に理系で顕著)が占めており,彼等が早稲田の実力を引き上げている,といった構造もある訳ですが,授業がオンライン化していく中で,それら「大学ラベル」の差なども,平準化されていくのではないかという気がしてなりません(この論は既に多くの識者によって語られている事と存じます).

尤も,斯様な「大学ラベル」などそもそも無用ではないか,といった論も従前からある訳ですが,こと今般の社会的事情において,其の点が表面化した事は,やはり小さからぬ事だったのではないかと思案します.

大学は何処へ行くのでしょうか.更に言えば,日本の大学の意義は,果たしてどこまで「もつ」のでしょうか…??

(参考:成毛眞氏の各近著)

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