Fラン大学は定員割れだけに限らない

「Fラン」の定義を扱う記事がダイヤモンド・オンラインに掲載され,更にMSN経由で回覧されていたので,ちょっと付言申します:

https://diamond.jp/articles/-/370129
https://www.msn.com/ja-jp/news/opinion/f%E3%83%A9%E3%83%B3%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E3%81%A3%E3%81%A6%E5%81%8F%E5%B7%AE%E5%80%A4%E3%81%AE%E4%BD%8E%E3%81%84%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E5%85%A8%E9%83%A8%E3%81%AE%E3%81%93%E3%81%A8%E3%82%92%E6%8C%87%E3%81%99%E3%82%93%E3%81%A7%E3%81%99%E3%81%8B-%E4%B8%96%E9%96%93%E3%82%92%E8%B3%91%E3%82%8F%E3%81%9B%E3%82%8B-f%E3%83%A9%E3%83%B3%E5%A4%A7-%E3%81%A8%E3%81%84%E3%81%86%E8%A8%80%E8%91%89%E3%82%92%E8%80%83%E3%81%88%E7%9B%B4%E3%81%99/ar-AA1KgqsB?ocid=socialshare

まず,語源がボーダーフリー(BF)なのはその通りです.提唱は河合塾.
しかし,このボーダーライン偏差値の定義が例えば合格可能性50%なら,実質倍率が2倍を下回っていればもはや算出不能です.此の定義だとFラン大学はだいぶ多くなる.

と,ここまでの話は既に膾炙しているので,当サイト記事としてもう少し意味ある話を下述します.

やみくもに受験しても合格しない,という意味で言うなら,競争率2倍以上の大学はひとまずFランという事にはなりません.
しかし実際には,「そもそも受験する事に意味がある層」の割合が2倍を下回る構図は,かなり難関とされる所まで広く存在します.理由は次の通り:

各受験単位(大学・学部・学科・試験方式等)ごとに,受験者の分布を以下の4つに分ける:

●A:順当合格
 事前の模試で偏差値がボーダー以上で,結果合格した層.
●B:逆転合格
 事前の模試で偏差値がボーダー未満だったが,結果合格した層.
●C:逆転不合格
 事前の模試で偏差値がボーダー以上だったが,結果不合格となった層.
●D:順当不合格(≒記念受験)
 事前の模試で偏差値がボーダー未満で,結果不合格だった層.

ここでDを母集団に含めて計算するから人気を集めた大学がムダに高騰しているように見える訳で,実際受験して意味が有った層はA+B+Cですから,

意味が有る倍率=(A+B)÷(A+B+C)

となります.

実は,此の数値が2倍を超える大学・学部等というのはあまりない.

少し古めのデータになりますが,首都圏の国立理系でも1・5~1・6倍で,MARCH文系でもなかなか2倍に届かず,早稲田の教育学部が2・1倍で突出して高さが目立つくらいです.
あるいは此の結果を踏まえると,東大理一の足切り2・3倍(従前2・5倍でしたが,往時から例年切った結果はほぼ2・4倍となっていました)というのは「本当にその数値」という意味でシビアと見る事も出来ましょう.

斯様に,大学入試では相応の実力を持った受験生がライバルを「1人殺せば受かる」訳です.物騒な言い方と思われるかもしれませんが,実際浪人に回るなりすれば人生の1%以上を消耗する訳ですから1人未満単位での殺し合いには違いありません.
筆者の教え子でも,あまりに心優し過ぎて殺人に手を染められないと公言していた生徒は、結局第1志望に合格出来ませんでした.競争選抜が一体何の機能を果たしているのかは,総員継続審議でしょう.

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