受験生にとって,過去問演習の位置付けとは何か

メルリックス前学院長田尻さんのブログ記事が,話題になっています:

過去問演習は、いつから?
http://igakubu-tajiri.com/a/2019-08-17/%e9%81%8e%e5%8e%bb%e5%95%8f%e6%bc%94%e7%bf%92%e3%81%af%e3%80%81%e3%81%84%e3%81%a4%e3%81%8b%e3%82%89%ef%bc%9f/

この記事は大変良い事を述べてくれているのですが,こと「過去問の利用方法」という切り口に注目した場合には,“半分”しか話をしてくれていない,と言えます.
端的に言うと,「学習が未完成な状態での過去問の活用方法」という点です.

上記リンク先の記事を読む限りだと,一見して「学習が未完成な受験生にとっては,過去問の利用タイミングは無い」と読めかねません.しかし,それを言ってしまっては大半の受験生(必ずしも「万全」とは言い難い状況で受験し,そして合格を掴み取る)にとっては「過去問を使う機会」など無い事になってしまいます.

そこで,ここでは「学習途上における志望校過去問の使い方」を紹介します.
とは言っても,実際に「やるべき事」の内訳自体は,上記リンク先記事と大差ありません.具体的には,「志望校の傾向を掴む」事です.というか,大半の受験生にとっては,これが過去問演習の意義のほぼ全てです.(本来は「出題者の精神を読み解く」というところまであるのですが,並大抵の受験生には無理があるので,この部分は受験指導者に任せてそのフィードバックを受ける事を推奨します….)
昔から言われている通り,過去問の出題は「出題者から受験生へのメッセージ」であり,そして受験生の解答は「出題者へのラブレター」です.これらの言葉の意味を今一度噛み締めて,大学入試過去問演習に取り組んで頂ければと存じます.

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