「残り約45日」の使い方

河合塾のセンタープレが多くの地域で終了して,「まだ時期が早過ぎる」などと思っている受験生の貴方,
終了時点で配布されている模範解答・解説を読んで復習して,「いま本試験を受けたら何点取れるか」の目算は立っていますでしょうか??

 

例年のセンタープレの日程が早い事に異論はありません.また,現役生に限らず大学入試は「当日まで伸びる」事が実際有る旨も,経験則としては多く知られているところです.

ですが,ここからの入試本番対策,特にセンター試験対応というのは,本質的には「得点を伸ばす」段階というよりも,「失点を防ぐ」ための演習形態に入っている,との認識を持っておいて頂く方が良いのではないかと思います.

要するに,「今の時点で理論上取れる得点の最高値を,出来る限り確実にコンスタントに本番で出せる」という事が大切なのであって,これから先の短期・中期目標(駿台センタープレ・東進センター本番レベル模試・駿台リハーサルセンター試験=通称「青パック模試」,等が多くの人にとって「最終中間目標」となるでしょう)に際しても,「取れる得点をコンスタントに取れる」べき,という点は,随時意識の片隅において学習に取り組まれるのが実になる事と存じます.

 

また,今年度は行政スケジュールの都合上,センター試験の日程が「史上最速」となっています.これは裏を返せば,「センター試験後2次試験までの日数が最長」という意味でもあるのですが,この日程事情をどう活かすかは,受験目標や学習上の戦略指針にもよる事ですので,詳細各論は別途の機会に譲りたいと思います.

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大学受験生もアスリートなのだからコーチは必要

以前の拙著でもさんざん述べていた通りですが,こと統計分布という尺度において,
「大学受験生(進学志望者)の中で東大・京大・国公立医学部に合格する人」の割合と,
「高校球児(野球部員)で甲子園本大会に出場してベンチ入り出来る人」の割合は,
ほぼ同じです(いずれも2%弱).

以下,
「甲子園ベンチ入り」≒「旧帝大・国立医・一橋・東工」,
「高校野球地方大会決勝進出』≒「早稲田・慶應・私大医学部」,
となっています.

…どうみても「セミプロアスリート」と称されるに遜色無いのではないでしょうか??
:「高校球児がアスリートなら,大学受験生もアスリートである」という訳です.

 

現代では既に広く知られている事ですが,多くのアスリートには優秀なコーチ(≠インストラクター)がついています:水泳王マイケル・フェルプスのコーチであるマーク・シューベルトなどは著名でしょう(筆者の師匠でもあります).
コーチがクライアントに教えるのは,あくまでも「マインド(脳と心)の使い方」であって,個別の内容には必ずしも関わらないものですが,こと日本の大学受験勉強対応にあっても,「アスリートとしてマインドを上手に使う」事を学ぶ機会が有っても良いのではないか,とふと思った次第です.無論,筆者はコーチと受験指導者を兼業しているからそういう事を思うのでしょうが,「肩書き」をどうしたものかは,最近ちょっと迷っています(笑).

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この時期に「センター試験本番目標得点の9割程度を確保しておきたい」という旨

もしくは「足切りを食らう恐れがないライン」でもいいのですが,いずれにしても,中期的…というには残り短い期間における,段階的目標をここでも設定しておく事が望ましいと言えます.

理由は単純で:「模試で出した事のないスコアを本番で期待するのは,精神的に怖いから」というのが最大の事情です.
そして,本番で「無事当初の目標志望大学・学部に出願」出来る為には…と逆算して考えると,センター試験の得点目標を中間的に設定するのは,おおよそこの頃のタイミングになるかなという事です.

丁度,河合塾のセンタープレ模試も来週の11/26(日)に実施との事ですし(※地域によって日程は異なる場合があります:各自御確認下さい),一旦受験勉強の力量配分をセンター試験対策向けに割いて,「今の得点力で何点取れるのか」の確認の機会として使って頂くのも宜しいのではないでしょうか.

 

なお,センターの比重が高くて「現時点で本番目標の9割」では足りない恐れがある程度の目標を掲げている人の場合には,無論ですが「現時点で必要分の得点確保」を目標として下さい.ただしその場合,2次試験勉強時間をどのタイミングで確保するのか,との兼ね合いが更なる難関としてありますので,重々御承知とは思いますがくれぐれも留意しましょう.

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フォーサイトの広告写真に日本の将来展望を見た気がする

という訳で,先ずはこちらの画像をご覧下さい(元記事リンク https://www.facebook.com/foresightplanner/posts/1476023922493723 ):

教育指導者の観点からしてもツッコミどころは諸々あるのですが,やはり一番気になるのは,この手帳を記入した生徒(の設定)がどうにも「穴埋めゲームの途上」的立ち位置と見える事です.

学習の初期段階における取り組みで「天井のある穴埋め」から入るのは止む無き事かもしれません.また,実際問題として,諸学分野の「初期段階」が日本のカリキュラムでも高校課程に入ってしまう事も,あるいは致し方無いかとも思えます(「設計」内容についても存じている立場ゆえ).

 

とはいえ,昨今叫ばれている教育改革の大局観としては,「それでは遅過ぎる」という事ではなかったのでしょうか.粗雑でない「穴埋め的」取り組みがいずれの段階においても必要である事にたとえ異論を持たないとしても,その先は一般に「天井の無い世界」である,という事を,同時並行して教育カリキュラムに織り込んでおく事が,必要なのではないのでしょうか.

筆者は個人的に,「天井の無い世界」をそれなりに見てきているがゆえ,学習指導の現場においても,必要に応じて「その空気」を大なり小なり織りまぜて伝える事は出来ようと思います.
公教育の多くの割合を担う現職教諭の方々は,この「いずれは天井の無い世界へ」という事を,果たしてどれほど伝えられているでしょうか…?

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