進学校なら「自律自制」は果たして通用するのか

生徒が部活動運営、驚きの取り組み 顧問の“拒否権”も 横浜の高校 教師の負担軽減にも
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180519-00010001-nishinpc-soci

論題は素晴らしいのですが,注釈を1つ:
これは「希望ケ丘高校だから出来る」のであって,必ずしも「進学校だから出来る」ではないように思われます.
記事注意にもある通り,同校は

>東大安田講堂で学生と機動隊が激突した1969年、この高校でも生徒たちが声を上げ、生徒心得(校則)と制服が廃止された。

という歴史をもっています.
このバックグラウンド無くしては,本件記事のような“偉業”も成り立たない.

かく言う筆者の母校では,制服の制度廃止(「標準服」化)が,生徒ら自身によって否決された,という有様です.往時は進学校として希望ケ丘よりも格上だったはずですが…

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青チャートを使いこなせていない受験生のために

さて,それでは,前回記事で述べた「青チャート使用可」水準に達していない受験生は,どうすれば良いのでしょうか.

結論として,先ず今後の受験勉強で青チャートを使う機会は無い(かもしれない)と,覚悟を決めて下さい.

その上で,「補充学習」を徹底する必要があります.

高校数学教科書+市販の教科書ガイドで「章末問題」までを解けるようにするか,あるいは進学校で4STEPやスタンダード等の傍用問題集が「解答・解説別冊」込みで配布されている場合には,それらを使って学習を進めます.例題及びB問題を解けるようになるのが目標です(時間が足りない場合には,傍用問題集なら*印の問題を抜粋して使用).

ここまでの段階で,前述の「センター9割」には届くはずですが,もし足りない場合には,一旦センター試験即応型の問題集を追加して,得点力の底上げを図り「目に見える」成果に到達しておく事も大切です.
さらに上を目指す場合には,黄チャート(レベル5問題は除く)か,同程度の水準の教材を追加すれば,「1対1対応の演習」の手前段階までは届くでしょう.

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「青チャート」は使い方が難しい

以前記事http://wp.me/p6S43T-6nで「手元の青チャート」などと盛大にdisっておった訳ですが,この意味するところをもう少し丁寧に述べ直してみたいと思います.

まず根本的に,青チャートは使いどころが難しい教材です.和田秀樹氏の古い著書「青チャートで東大理IIIも受かる」の文言が現代果たしてどれほど通用するかはともかく,この教材の「目指す水準」は相当高いものがあります.

従って,当然の事ながら,「入り口」のハードルの高さが気になります.高校数学の初学者から始めて,青チャートへ接続すべきモデルプランとなる学習計画は,筆者の指導経験の限りでも今一つ思い浮かびません.

端的に言うと,「青チャートを使いこなせる人には,青チャートは要らない」のです.
…これは無論,反面のある言い回しであって,実際には「青チャートを使える学力水準に満たないのに,あまりにも無理をしている」受験生の何と多い事か(!).
実際,筆者の仕事の多くは,先ず斯様に無茶な教材と格闘して「負傷」しかかっている受験生を,差し止めて説得するところから始まります.皮肉な事に.

それでも青チャートを使いたい人へ:先ずセンター試験の過去問で,数学IAIIB合計9割以上の得点が出せる事を確認して下さい.指導経験上,青チャートをマトモに使って良い学力水準はこのあたり以上です.

但し,この水準に満つる受験生にとっては,青チャートはもはや無用の長物(特に物量が多過ぎる,割に最終目標に対してレベル不足)かもしれません.そこまで到達したなら,受験勉強の中級編以上に進んでも良いでしょう.典型教材として例示すれば「大学への数学 1対1対応の演習」等の水準です.

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