東大合格者数ランキングに見る「日本の大学凋落」への懸念不安

難関・有名大学合格者ランキングの,サンデー毎日・週刊朝日等の「確定版」が出揃いましたね.
これを見て思うところは諸々有るのですが,1つには「今までそこまででもなかった高校の躍進」が人数的に目につく,という点です:特に東大合格者数1桁台での実績をつぶさに眺めていると,その傾向が気になり始めます.

 

他方で,世界の教育における日本の大学が占める位置は,斯くの如くなっています(情報 thanks to 旧友Ralf氏):

Best Global Universities for Computer Science in Japan
https://www.usnews.com/education/best-global-universities/search?country=japan&subject=computer-science&name=

この2つの情報を並べて見ると,「日本の大学は既に逃げられているのではないか」という懸念が,つい脳裏に浮かびます.

 

日本の大学入学選抜事情は前回記事でも概観した通りですが(なお続報「共通テスト、民間活用に大学は及び腰 「合否判定に使わない」東大の方針が影響 疑問の声相次ぐ」https://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/403938/),その結果が単にガラパゴス化のみならず「退化」あるいは「斜陽」とあっては,襟を正す暇も無いほどに危機感を持たなければ到底生き延びて(survival)いけないでしょう.

統一試験を骨抜きにしている場合か,と苦言を呈する一方で,「そんな程度では使い物にならない」との評にも異論を呈せない程度と,筆者には見えております.

せめて日本の高等学校がマトモに機能してくれれば,と思わずには居られないのですが….

Share

東大の意向を汲まなければ教育カリキュラムは「骨抜き」になる

元情報はこちらです:

東大、英語民間試験を使わない方向 大学入学共通テスト
https://www.asahi.com/articles/ASL3B51M8L3BUTIL013.html

東京大学はこれまでにも,大学入試センター試験における英語リスニングの得点を合否判定に用いない(配点0)など,独自の意向を強く打ち出してきていました.

また,斯様な論点に際しては,往時幾分ぼかして述べていたものの,当サイト記事でも概観していた通りです(「大学受験コンサルの思う事」http://wp.me/p6S43T-7A).

 

「なんで東大(あるいは国大協)が全国統一試験の結果を無視するの?」と思われる方もあるかもしれませんが,

端的に「そんなものは基準として使えないと認識されているから」

です.

 

現在(まで長らく),東京大学入学試験の英語問題は,主に駒場キャンパスを活動拠点とする教員らによって作成されてきています.(手元に情報ソースが無いのですが,例えば「東京大学新聞」では,しばしば出題者インタビュー等の形で責任発言を取っている記事を見る事が出来ます.)
その中には当然の如く英語ネイティヴ教員も多数在籍しており,外国語教育環境として考えた際にも決して「ぬるくない」し「申し分無い」と評して過言ではないでしょう.

そんな東大駒場教員陣に無視される統一入試制度が,結果「骨抜き」になる此の刺し合い状況.
もはや言うまでもなく,日本の教育の地盤沈下は目に見えており,このままでは「逃げるが勝ち」状態に陥りかねません.

 

これは何も英語に限った話ではなく,”世界トップクラスのカリキュラム”(http://wp.me/p6S43T-7E)を誇る日本の学校教育制度は,一体いつになったら有効に機能してくれるのでしょうか.

Share