理科特に物理が相変わらず虐げられている件について

過日,必要があって化学(化学基礎・化学)の範囲を復習しておったのですが,さすがに(既知の通り)筆者の受験当時より範囲が広くなっていますね.かつ,生命科学との合流点が見出しやすくなっています.
他方で,物理学との接点については,決して多く語られていない模様です.これが大学に入ると,「化学は物理に,物理は数学になる」との格言の通り,物理化学は非常に重要な位置付けを占める事となります.それを,生命科学との接点を重視したせいかどうかは知りませんが,物理化学との接点を軽視したままでいいのかどうか.

以前に当サイトでも述べていた通り,高校「物理」の履修者はせいぜい2割という有様ですが,これが「3割の理系大学受験生」の多数派を占めるとなると,看過しかねるものがあります.そこを,「物理学との接点は大学に入ってから勉強してね」と一任せで本当に大丈夫なのかどうか.筆者はつねづね,「総合」的科目の位置付けを批判してきましたが,ここへきて「理科総合はやっぱり必要なんだ,それも高校理科最後の段階で」と思わざるを得なくなった有様です.

大学受験指導者(予備校講師)による大学初年級のための参考書も人気健在ですが,民間教育に頼りきっている現状には少なからず不安を覚えます.無論,「意欲的な」大学入学生は筆者などの杞憂に沿わずして自習を充分に補うのでしょうが,それはあくまで少数派です.「大学に入ってから文転しました」などという顛末にならないよう,心から願っております.

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大学入試も結局は「日本語の論理」読解が殆どである

過日,東大クラスの演習で添削指導を担当させて頂いておったのですが,ある種の英文和訳(「下線部の意味するところを日本語で説明せよ」;必ずしも「下線部を和訳せよ」とは限らない)を拝見している際に,英文解釈以前の問題として日本語の論理が成っていない答案が目につき気になりました.文章の接続が意味を成していないとか,前文を受けている構造なのに受ける対象が明確でないとか.

こういう事もあるので,筆者は常々「大学受験の基本は国語現代文である」と言ってはばからず,挙句には専門ページhttp://wp.me/P6S43T-e5まで作って方法論を詳述している次第です.

大学受験生の皆さん,今からでも国語現代文に取り組む事は遅くないですよ(タイミングとしては無論相当際どいのですが,今から取り組んでも大学入試本番には十分「役に立つ」事請け合いですよ).

他の科目でも,論理論証を重視される場面は少なくありませんから,現代文の学習を今の時点から導入する事は推奨出来ます.また特に,2次試験で小論文が課される医学部医学科受験生の方などにも,国語現代文の学習は今の内から行っておくべき事を進言します(1次合格発表〜2次本番までの期間では完成に間に合わない恐れがある為).

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そろそろセンター試験対策を考えたい時期

センター試験まで,残り100日を切っていましたね.

当サイトでは繰り返し述べている通り,遅くとも11月中には「本番目標得点の9割」を出せるようにしておく,という事に尽きます.よって,そろそろ「セ試向けの特有の対策」学習もが必要となります.国公立大学2次試験や,各私大個別学力試験への対策とのバランスを考えて取り組んで下さい.

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天災に即して受験生はどう対応するべきか

台風19号が通り過ぎ,関東地方は見事なまでの台風一過となっています.
さて,そんな台風を含む自然災害に際してですが,入試「本番」に事が起こった場合,受験生は果たしてどう動くべきか.2月の入試繁忙期に台風はなかなか無いかもしれませんが,大雪やあるいは地震のようなものには事欠かないでしょう.

結論としては:先ず自分の身の安全を最優先する.次に,可能であればそのまま試験に臨む事を続ける,です.
筆者はよく,教え子に「試験会場に入ったら先ず建物の安全性を目視しなさい.そして,震度どのくらいまで安全か見積もりなさい」と言っています.冗談でなく.
端的に言えば,震度3〜4くらいだと「地震だ」という事は分かりますが,日本の建物でこの程度で危ない代物はまず無い(なお照明器具等にも注意).よって,試験監督が「試験中断」を告げない限りは,受験をそのまま続けた方が結果有利である,という事です.これは単純に「試験のルールに従う」という事であり,ごく一般的に「定められた規則の下で,適確に競争選抜に臨む」という,当たり前の事に他なりません.

逆に,もし「調整等措置」が採られた場合には,直ちにそれに従って下さい.これは情報処理の一般論問題です.筆者の同期で,鉄道が遅れて該当受験生には試験開始を遅らせる措置が採られたのに,それを無視して遅刻扱い一般受験をした人が居ましたが(結果は不合格でした),そういう単に無謀な,アホな真似をしないように.かく言う筆者も,当日焦って道を間違えたり試験室を間違えたりしましたが,そういうアホは決して真似せず,粛々と制度試験に臨んで頂きたいものであります.

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