#中学受験 に際して一言物申したく

筆者は一応,教育業・受験産業の中でもこと中学入試対策だけは積極的に募集していないのですが(自身が中学受験を経験していない為),先般御紹介で中学受験相談を頂いた事もありまして,一寸そのあたりについて述べてみたいと思います.

 

先ず,筆者は実は「中高一貫校一択派」です.この事は既にSNS等でも述べていますが,理由は単純で,現行の学習指導要領においては「中学課程が薄過ぎて,高校課程が重過ぎる」からです:中高一貫(殊に私学)なら,これを「前倒しで寄せて」平準化出来る,と.端的に言えば,中学課程相当を2年間で終えて,高校課程相当に3年間を充て,最後の1年は受験勉強,…という形です.

そうすると,要するに「どこでもいいから中高一貫校に入っとけ」という論になります.尤も,実際には「周囲の学友の環境」などもありますので,本当に字面通り「どこでもいい」のか,と突き詰めると難しい問題はありますが,そちらについては「学友を選ぶための進学」という括りで考える事になるかと思われます(ちなみに筆者は高校受験でそれをやりました).

 

さて,中学受験に際して,受験生の「親」の立場としては,先ず矢野耕平「令和の中学受験」( https://www.amazon.co.jp/dp/4065227992 )が必読です.

そして更に,コーチング的文脈で言えば,「ドリームキラー」にならない事が肝要です.上に13歳~27歳の兄姉が居るか,親自身が教育関係者であれば,PX2( http://bwf.or.jp/what_is_px2 )を受講される事が望ましいですが,中学受験生=小学6年生(12歳)以下の児童自体の場合には受講の対象外なので,その場合には親がTPIE( http://tpijapan.co.jp/ )を受講するか(幾分値が張りますが…),そのエッセンスが詰まった成書・田島大輔「マインドの教科書」( https://www.amazon.co.jp/dp/4758970238/ )を一読される事を推奨申します.

また,イタリア王家サヴォイア家の「ジュニアナイト卓絶騎士養成プログラム」( https://ordinidinasticicasasavoia.jp/program )に関しても,原則は学校単位受講ですが「オープン開催」の機会もあるようですので,ニュースレターに登録して情報を待つ事も推奨されます(こちらは「小学校高学年」から受講出来ます).

中学受験業界では,おおたとしまささんの成書が有名ですが,その多くが「トップを見ている」傾向にある事もあり,使い方を選ぶ著者である向きも見えるかと存じます.尤も,「中学受験で敗者を作らない」といった素晴らしい成書もあるので,受験生本人のレベルに合いそうな成書を親が探して読んでおくのも良いでしょう.

また,一昔前には松永暢史さんの成書も著名でしたが,最近は成書を出されていないようなので,「穴場」と思って合いそうなものを探してみても宜しいかと存じます.

 

それから,ネット上の匿名掲示板(イ●ターエ●ュが代表的)や,中学受験をターゲットとした定期刊誌(プ●ジデント●ァミリーや,東●経済・読●ウィー●リー等のビジネスマン向け雑誌)の内容は,ハッキリ言ってゴ●なので,初めから「見ない」ようにしましょう.

そして,何よりも大切な事は,やはりコーチング的文脈になりますが,くれぐれも「中学受験をゴール」にしない事です.これをやってしまうと,結果が如何になろうとも取り返しのつかない事になる恐れがあります(筆者は「そういう中高一貫校の生徒」の指導にもあたってきましたが,「回復」はかなり厳しいものがあります…).

また,中学受験は一般に「勝率約3割」と言われています.これは裏を返せば,7割の多数派受験生は「第2志望以下」に進学する事になる訳で,その際の自己肯定感を如何に育むかが肝要となります.
実際問題としては,中学1年次に13歳以上になれば,生徒本人がPX2を受講出来るようになるので,親ともども受講される事が望ましいでしょう(※PX2の公式声明によれば,親子は「別々に受講」される事が原則となっています).

 

中学受験に際しての諸問題点はまだまだ数多くありますが,それらは網羅的に上述の成書「令和の中学受験」に述べられていますので,中学受験生の親は先ず同書を精読される事を推奨申します.

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