大学入試センター試験国語(現代文)の勉強方法

※この記事は,先の記事「忘れ去られがちだけれど本当は重要な,国語(現代文)の勉強方法」(1)〜(5)の課程を通っている読者を前提としています.もし当該学習に取り組んでいない場合には,先ず上記記事の全てを読み,不足無く学習を行ってから,この先を読み進めて下さい.

忘れ去られがちだけれど本当は重要な,国語(現代文)の勉強方法
(1)基礎学力測定編 http://wp.me/p6S43T-d5
(2)中学国語補充編 http://wp.me/p6S43T-d9
(3)高校国語本格着手編 http://wp.me/p6S43T-dc
(4)高校国語補充学習編 http://wp.me/p6S43T-dg
(5)大学受験勉強国語着手編 http://wp.me/p6S43T-di

センター試験の現代文の設問は,(漢字問題を除き)原則として全て「論理と集合」と「一次不等式(比較)」の知識を用いて解く事が出来ます.先ずこの事を念頭に置いて,常にセンター現代文の演習・学習に取り組んで下さい.
また,この時点でもし必要を感じた人は,数学(I・A)の復習を先に進めておいても良いでしょう.

この精神を体現している大学受験用教材としては,現在入手困難ですが,予備校講師はこう解く!シリーズ センター試験過去問 板野博行はこう解く! 国語」(旺文社) https://www.amazon.co.jp/dp/401036324X (この他の年度の「予備校講師はこう解く! 国語」でも同様OKです)の「赤入れ」印刷部分が,特に参考になります.

それ以外に現在でも入手可能な市販教材の内容範疇でセンター出題に対応するには,先ず前述「(3)高校国語本格着手編」で学習した「出口のシステム現代文 ベーシック編」の取り組み(特に「図示による解析」)が基礎となります.この問題本文および設問文の解析の上に立って,現実的な制限時間の範囲で合格に必要な得点を確保していく事が,センター試験現代文対策の概要です.勿論,その後に「(5)大学受験勉強国語着手編」で取り組んだ「現代文読解力の開発講座」の演習成果も活きてきます.

 

ここまでに述べた「ヒント」だけで,後は時間制限対応演習を重ねる程度で必要分のセンター現代文得点に達する人は,もはやそれで構いません.

 

センター試験に特化即応した,現在でも入手可能な教材をベースとした学習方法としては,「きめる!センター現代文」(学研マーケティング) https://www.amazon.co.jp/dp/4053041112/ を使用する算段があります.他の教材と同様,「まえがき」に書かれている教材の使い方を熟読した上で,読解すなわち「読み方・解き方」を本書から学び取ります.

「きめる!センター現代文」の学習を終えたら,センター試験過去問演習に接続します.採点時に,解いていて自信が有って正答した設問には◯,自信が無かったが結果的に正解だった設問には△,不正答には×をつけます.そして,△と×を「塗りつぶしていく」学習を徹底する事で,得点の高数値安定化に貢献します.

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大学受験 小論文の勉強方法(2)

※「入試現代文へのアクセス 基本編」を使用しない人でも,「大学受験 小論文の勉強方法(1)」 http://wp.me/p6S43T-dC の内容自体は読んで着実に理解しておいて下さい.

 

中堅レベルの大学入試や推薦入試・AO入試で小論文を受験する人は,「小論文入門―10日で小論文の基礎完成」(河合出版) https://www.amazon.co.jp/dp/4877258981 で念入りに(と言っても「10日間」ですが)解説読み込み+演習を行う事により,入試本番に「直結」出来る場合が少なからずあります.これに該当する場合には,上述のルートで「最良のコストパフォーマンス」を目指しましょう.

 

一方,このレベルでは足りない難関大学小論文や医学部医学科の2次試験等に臨む受験生は,以前記事「国語(現代文)の勉強方法(7)大学受験勉強国語ハイレベル編」 http://wp.me/p6S43T-dz を通った上で,「小論文を学ぶ―知の構築のために」(山川出版社) https://www.amazon.co.jp/dp/463407110X/ の内容を身に付けましょう(「読む」学習割合が多い教材になると思います).
この教材で,「小論文で問われる論点とは何か」について一通り学べますから,後は実際に過去問等の「本番レベル教材」に接続する事が出来ます.
但し,採点・添削のために指導者が必要になる場合が多いかと思います.高校生は学校の先生に頼む場合も多いでしょうが,注意点を1つ:見てもらう相手は必ずしも国語の先生とは限らず,「出題分野」に最も近い専門家に見てもらうようにします.これは学校以外(予備校等)の場合も原則は同様です.

 

医学部医学科受験者は,「医学・医療概説」(河合出版) https://www.amazon.co.jp/dp/4777216586 で医学分野の基礎概念を網羅的に学んだ上で,「医学部の小論文」(河合出版) https://www.amazon.co.jp/dp/4777219356/ でより専門特化を含めた演習を補充します.これらの市販書(上掲「小論文入門」も)は大判(B5判)なので,書店ではジャンル分け云々にかかわらず上段の書架に置かれている事が多いようです.
なお,医学部医学科の入試については,(小論文に限らず)「大学側が受験生に何を求めているのか」に応える事が非常に重要となりますので,予備校の先例データ等をも活用して,志望校毎に(一般には異なる)入試情報の収集にも努めて下さい.

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大学受験 小論文の勉強方法(1)

※この記事は,先の記事「忘れ去られがちだけれど本当は重要な,国語(現代文)の勉強方法」(1)〜(5)の課程を通っている読者を前提としています.もし当該学習に取り組んでいない場合には,先ず上記記事の全てを読み,不足無く学習を行ってから,この先を読み進めて下さい.

忘れ去られがちだけれど本当は重要な,国語(現代文)の勉強方法
(1)基礎学力測定編 http://wp.me/p6S43T-d5
(2)中学国語補充編 http://wp.me/p6S43T-d9
(3)高校国語本格着手編 http://wp.me/p6S43T-dc
(4)高校国語補充学習編 http://wp.me/p6S43T-dg
(5)大学受験勉強国語着手編 http://wp.me/p6S43T-di

また,「小論文対策なのに現代文学習の物量時間が長いよ!」と思う方がもしいらっしゃいましたら,明々後日以降公開される補足記事 http://wp.me/p6S43T-dM を読んで下さい.

 

さて,ここまでのカリキュラムに取り組んできた受験生の皆さんは,上記「(4)高校国語補充学習編」で紹介した「読むだけ小論文 基礎編/発展編」の2冊を学習するか,またはそれと互角以上の学力を既に有しているはずです.
しかしながら,必ずしもこと小論文を「書く」という行為に関しては,十分な演習を行ってきているとは言えないのではないでしょうか.

ここで,前述の(5)で学習した,「読解力開発問題」という名の「小小論文」の経験が役に立ってきます.勿論,読解力開発問題は出題本文の大意要約であり,受験生が自らの主張をも含めて述べる小論文とは本質的に異なる面も少なくありません.
しかし,上でも述べた通り,「文章を書き慣れる」という事は,意外とネイティヴの日本人でさえも,やってきていない≒出来るようになっていないものです.従って,自身の考えを述べる等といった際にも,実は「単に日本語で長文を書き慣れている能力」によって,大きな学力スコア的差異が生じてしまう事になります.

 

そこで,当サイトで提供するカリキュラムにおいては,この「現代文読解力の開発講座」で学習し修得した「100字程度の日本語文章を書く能力」を言わば土台の一として,小論文という科目(大学入試等)の学習対策を始めます.

なお,念のため先に注意を述べておきますと,多くの小論文の問題においては,出題の中心が「受験生自らの考えを述べる」形式であっても,実際には「問題文の読解」を少なからず必要とします.これはあくまで試験の一般論になりますが,「設問で訊かれた事に答える」のが大原則である事を忘れないで下さい.

 

以上の観点から,小論文対策は,時間が許す限り,原則的には「入試現代文へのアクセス 基本編」(河合出版) https://www.amazon.co.jp/dp/4777213587/ の演習から始めます.即ち,使用する教材自体は「国語(現代文)の勉強方法(6)大学受験勉強国語継続編」 http://wp.me/p6S43T-dw と同じですが,但し小論文受験者の場合には,学習段階から「書く」事を意識した取り組みがより肝要になってきます.

尤も,小論文の学習に時間をそこまで掛けられない場合(あくまで「受験は総合点」です!:大原則)には,この段階は飛ばしてひとまず次に進みます(万一,後に「足りない」事が判明した場合には,ここの学習段階まで戻ってくる事になります).

 

この後は次の記事に続きます.

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国語(現代文)の勉強方法(7)大学受験勉強国語ハイレベル編

(6)大学受験勉強国語継続編 http://wp.me/p6S43T-dw で述べた「現代文へのアクセス 基本編」でも足りない受験生は,今一度現代文の配点=特に総点に占める割合=を確認した上で,上級の学習へ進みます.

現代文のハイレベル学習は,先ず必要な概念や語彙を獲得する事から始めます.推薦教材は,「ことばはちからダ!現代文キーワード」(河合出版) https://www.amazon.co.jp/dp/4877256113 がこの段階での標準レベル,「小論文を学ぶ―知の構築のために」(山川出版社) https://www.amazon.co.jp/dp/463407110X/ が最高レベルです(※ここで,必ずしもレベル表示にとらわれる事なく,あくまでも各自の学習に必要な分の教材を選択する事に注意します).いずれも,最終的には各成書の内容を「自分の言葉として書き出せる」ようになる事を意識して学習使用して下さい.

 

概念・語彙の修得を通ったら,「入試現代文へのアクセス 発展編」(河合出版) https://www.amazon.co.jp/dp/4777213595/ を使用して演習を行います.ここでの得点率は,75%程度に達していれば,並大抵の受験生にとっての国語現代文としてはおおよそ完成水準に近いと言えるでしょう.後は過去問演習・研究・傾向対策に接続します.

 

これでも国語現代文の学力(得点力)が足りない受験生は,本当にそれ以上の学習が必要か総合的に確認(先んじて傾向対策を含む)した上で,「入試精選問題集7 現代文https://www.amazon.co.jp/dp/4777208311 <「得点奪取現代文 記述・論述対策https://www.amazon.co.jp/dp/4777210405/ < 「現代文と格闘するhttps://www.amazon.co.jp/dp/477721785X/ (以上,河合出版),あるいは,「現代文のトレーニング 必修編 https://www.amazon.co.jp/dp/4860661044記述編 https://www.amazon.co.jp/dp/4860662040/ 」(以上,Z会出版)を用いて学習して下さい.ここまでくれば,殆どの大学入試現代文で十分な得点が取れるはずです.

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国語(現代文)の勉強方法(6)大学受験勉強国語継続編

ここからは,主に文系を中心とした「2次試験(大学個別学力試験)で国語現代文が課される受験生」へ向けて記事を書いていきます.(但し,東京大学理系のように2次試験でも国語が重視される大学・学部や,小論文で受験をする人も当記事は読んでおいて,必要に応じて実施して下さい.)

 

教材は,市販の「入試現代文へのアクセス 基本編」(河合出版) https://www.amazon.co.jp/dp/4777213587/ を使います.このシリーズは他に「発展編」「完成編」が有るので,店頭では混同しないよう注意して手に取って下さい.
使用方法は,前回記事「(5)大学受験勉強国語着手編」 http://wp.me/p6S43T-di で学習した,「現代文読解力の開発講座」とおおよそ同様です.「開発講座」で身に付けた方法技術を実践演習する機会として捉え,「開発講座」あるいは更に「出口のシステム現代文 ベーシック編」の解説で述べられていた通りの「読解(・記述解答)技術」を余すところ無く発揮して,「アクセス基本編」の設問に解答しましょう.

 

また,この段階頃になると受験生本人も慣れてきて,毎度毎度そこまで精細に,わざわざ手間・時間を掛けてまで「解析を書き出し切る」必要性に疑問を感じ始めるかもしれません.
しかし,この「アクセス基本編」という教材までは,「精確な解析の徹底」をやってほしいと考えます.
理由は,この後に取り組むハイレベル教材では,実際に「解析をやり切らずに設問への解答を完成させる」トレーニングを行うためです.

 

トップレベル以外の2次試験国語(現代文)では,この後に直接志望校の過去問に接続出来る可能性があります.もしその場合には,傾向対策・分析を徹底して,直接本番に臨んで頂く事も可能です.
但し,こと「国語(現代文)で勝負したい」受験生においては,必要に応じてより上級の学習をも織り込まれる事を推奨します.

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「LGBTは約3%」との調査報告が出た模様です

LGBTは約3% 国の研究所グループが調査
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190425/k10011896301000.html

調査の元情報はこちらでしょうか:
性的指向と性自認の人口学 – 日本における研究基盤の構築
http://www.ipss.go.jp/projects/j/SOGI/index.asp

御蔭様で,LGBTの「各内訳」についても記事中で詳述がなされています.

当サイトの過去記事での言及も,少なからず修正を必要とするものがありそうです.

これは「国立社会保障・人口問題研究所」の研究グループが大阪市の協力を得て行った調査で、ことし1月、無作為に抽出した18歳から59歳までの市民1万5000人にアンケートを送り、4200人余りから回答を得ました。

との事で,調査を行った母体には相応の信用がありそうです.但,回答率がだいぶ低い気もしますが…

また,個人的経験の限りでは,今回調査の舞台となった大阪は,セクシュアルマイノリティとして生活していくには(東京などと比べて)厳しい社会である旨も,一応指摘しておきます.ちなみに名古屋も厳しかった.

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忘れ去られがちだけれど本当は重要な,国語(現代文)の勉強方法(5)大学受験勉強国語着手編

前々回記事(3)http://wp.me/p6S43T-dcで紹介した「出口のシステム現代文 ベーシック編」が完了したら,「現代文読解力の開発講座」(駿台文庫) https://www.amazon.co.jp/dp/4796114327 に着手します.一般販売書籍ですが駿台文庫の書籍は提携を結んでいる書店でしか販売されていない模様なので,各位予約注文するなり大規模書店へ行くなり対応して下さい.

「アレ?出口のシステム現代文シリーズの続編へ進まなくていいの?」と思う方もあるかもしれませんが,当サイトの指導指針ではこの先,同シリーズの他の教材は使いません…

 

「開発講座」の学習使用方法の原則は,「出口ベーシック編」と同じです.但し,各設問に「読解力開発問題」と称した100字程度の問題本文大意要約が用意されている点が,非常に特徴的です.この大意要約演習によって,記述・論述式の国語現代文答案作成に強くなる事は勿論,センター試験に代表される多肢選択式の出題に対する対応力もより深く身につきます.また,一部の方にとってはお待ちかねの(?)小論文対策学習の基礎も,実はこの段階から本格的に始まる,と言って良いでしょう.

但し,教材のレベルとしては「出口ベーシック編」より一段以上難しい事と,解説も「出口ベーシック編」より大分簡潔にまとめられているので,初学者にとってはより難易度の高い教材となる可能性が高いと思われます.もし少しでも無理を感じたら,一旦「開発講座」の学習を止めて,前回記事http://wp.me/p6S43T-dgで紹介した「読むだけ小論文 基礎編/発展編」の2冊の学習を補充して下さい(学習のやり方は記事にある通りです).
また,もしそれでも難しいと感じるようであれば,前々回記事の「出口のシステム現代文 ベーシック編」が本当に身についているか,今一度確認して下さい.特に,本文の内容を図解的に表示して理解する訓練が徹底されているかに注意して,復習すると良いでしょう.

 

「現代文読解力の開発講座」の学習が一通り完了したら,大学入試現代文の学習の基礎は一応出来た事になります.ここから先は,各自の志望に合わせた学習に分岐していく事になります.

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忘れ去られがちだけれど本当は重要な,国語(現代文)の勉強方法(4)高校国語補充学習編

さて,前回記事http://wp.me/p6S43T-dcで「追加教材による学習が必要」と不足を指摘された人,または以降の記事から筆者の指示を受けて「戻ってきた」人へ向けて,高校国語の補充学習について解説します.

使用する教材は,「読むだけ小論文 基礎編」(学研) https://www.amazon.co.jp/dp/4053039622 ,同「発展編https://www.amazon.co.jp/dp/4053039630/ の2冊です.書店では小論文専門の棚は設けていない事が多いので,「AO・推薦入試対策」とか「大学案内」といった各書籍と並べて置かれている事が多い模様です.小論文は大学受験科目としてはマイナーな部類に属しますが(残念ながら!),上掲各書は有名なので,比較的よく書店店頭にも置かれていたりするようです(但し,流石に平積みにはなっておらず,またサイズが小さいので見つけにくいかもしれません).

使用方法は単純で,本当に「読むだけ」です.但し,「基礎編」を先に2周読んで,概念を頭にインプットしてから,「発展編」で同様の事を行います.
目標期間は「各冊2周×2冊」で1〜2週間です.流し読みでは足りませんが,集中して一気に「詰め込む」学習を心掛けて下さい.

 

この段階の学習の目的は,高校までの学習でこれもないがしろにされがちな,「概念」や「語彙」を知識として学び取る事にあります.ですから,その点を意識して上記教材に取り組むと,特に効果が上がるかもしれません.

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メルリックス学院の「小論文講座」が機能する理由

ここまで当サイトの記事を読んでこられた皆さまからすれば,大学受験で「小論文対策講座」が単立しているというのは「あやしい」と直感的にも思うはずです.
(参考:「『小論文対策』はいきなりやろうとするな」 http://wp.me/p6S43T-d3

ところが,メルリックス学院では「はじめての小論文講座」 https://www.melurix.co.jp/news/2335/ なる「1日集中講座」を設けています.

穿った見方ながら,これを敢えてマーケティング論一般まで引いて眺めてみると,当該講座は情報商材業界で言うところの「フロントエンド」であって,「バックエンド」に対応するのが小論文対策講座(「GW集中個別コース」等を含む)である,という構造(敢えて言うとビジネスモデル)になっているのだと思われます.このバックエンドがいかに学力向上の実効性を担保出来るかに,この講座の実益性が懸かっていると言えます.

また,メルリックス学院は,私大医学部専門予備校なのに「国語」科目が存在します: https://www.melurix.co.jp/course/course01/ .尤も実際には,ここの「カリキュラム例」で示されている「(国語)」の内訳は,おそらくセンター試験対策が中心になっているとは思われますが(私大医学部医学科一般入試で「国語」科目が課されるのは帝京大学くらいしか無いので…しかも選択科目の一に過ぎないので),もしこれが国語(現代文)の基礎学力向上に資するカリキュラムになっているのだとすれば,その上に立った「小論文対策」は存分威力を発揮しうるのではないでしょうか.

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忘れ去られがちだけれど本当は重要な,国語(現代文)の勉強方法(3)高校国語本格着手編

今回記事では,前回記事(2)http://wp.me/p6S43T-d9中学国語補充編の復習が完璧に出来るようになった人,あるいは前々回の(1)基礎学力測定編で「合格基準」に達した人を対象として,本格的な高校現代文の学習方法に進んでいきます.

使用する教材は,市販の「出口のシステム現代文 ベーシック編」(水王舎) https://www.amazon.co.jp/dp/4864700168 です.「出口のシステム現代文」シリーズは次の「バイブル編」が中心になっている…と一見思われがちですが,実際にはこの「ベーシック編」でも十分骨のある内容となっており,筆者の教え子である東大生らもここからお世話になっている人が少なくありません.

教材の使い方は,これまで(1)や(2)の各記事中で述べてきたのと同様,「自力で問題文および解答の解説が出来る」ラインを目標とします.

具体的にはやや特殊ですが,以下の通りです:

先ず,問題1を「制限時間」を守って解きます.この際,解答だけでなく,問題本文の構造解析も一緒に(と言うか解答に先立って)ノートに書き出していきます.

制限時間になったら,ノートに「ここまで制限時間内」のマークを打ちます.そして,答え合わせは未だ行わず,先に問題本文や設問の構造解析が足りていない(=時間内に解答を作る為には,解析まで間に合わなかった)部分を含めて,構文解析を徹底します.
また,もしこの段階の中で,従前の構造解析や解答に「修正」点が見つかった場合には,色ペン等でその旨を分かるようにして,修正を加えます.ここでの内容は,制限時間を過ぎてはいますが,本質的には解答者である「あなたのもの」です.

ここまでの構文解析・問題解答を「心ゆくまで」行ってノートが黒く(もしくはカラフルに)なったら,初めて「答え合わせ」を行います.注意すべき点として,この段階で先ず答え合わせをするのは「設問の解答」のみです.なぜならば,もし不正答があった場合には,次の補充学習段階を導入する事が必要だからです.

さて,答え合わせで無事満点を取れた方は,おめでとうございます.本項の内容を飛ばして,次の段階に進んで構いません.
他方,もし一問でも不正解があった場合,もしくは「結果的に正答だったものの自信が無かった」設問がある場合には,同書の「解説」部分を見ずして,構文解析をやり直します.
この際,基準は「正答ありき」で結構です.要するに,「自分が何を読み違えたから不正解となったのか,どう読み取れば正解する事が出来たのか」を第一義的に意識して,構文解析の修正を行う訳です.

以上の段階まで完了したら,ようやく本教材の「解説」部分に着手を始めます.この際,「図的解説」が多く用いられている事に着目して,是非自分でも色ペンを持って,これまで演習してきたノートにその出口先生の解説を書き加え,そして「自分のもの」として下さい.ここでの目標も,従前の各教材と同様,「本文および解答の解説を,全部自分で出来るようになる事」です.

以上が,各「問題」1つ1つの学習法になります.
ひとたび構文解析を完了してしまえば,あとは「蝋を型に流し込むが如く」各設問に対する解答が得られる,という感覚を,実感としてぜひつかんで下さい.

これを全10講分やりますが,但し注意点として,問題3〜問題4のあたりで「難しい(難しくなった)」と感じた人には,追加教材による学習が必要となります.(他の箇所で感じた場合も同様ですが)
詳細は次回記事http://wp.me/p6S43T-dgにて解説します.出口ベーシック編が途中で「難しい」と感じた人は,次回記事の内容を一旦学習した上で,再度当教材の「続き」に接続する形で戻ってきて下さい.

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