前回記事の最後で「先ずは『高校課程の基礎』が身についている事を,確認する事から始めましょう.」と述べていましたが,では,具体的にどういった点に着目して「確認」をすれば良いのでしょうか.
端的に言いますと,センター試験の問題が一つの目安となります.特に,英語・数学・国語(現代文)を「時間無制限」で解いてみる事により,かなりの程度の「基礎学力」が判定出来ます.(なお但し,ここで時間「無制限」とは一応言いましたが,1:一応本来の制限時間でどこまで出来たかは測って記録する事,2:制限時間を超えた分の時間がどれだけ掛かったか(やれる事をやるだけやって掛かった時間はどれほどか)を記録する事,の2点は必要である事に注意しておきます.)既に一度過去問題を使い切ってしまっている人は,センター型・マーク式の模試問題や,追試験分の問題等を利用して下さい.
特に注意すべきは現代文で,ここでもし「時間を掛けても得点が伸びない」ようですと,大学入試全科目の成績に影響を及ぼしかねません.センター試験本番の現代文は難しめの科目ですが(そりゃ当然で,これがもし「フツーの日本語の試験」だったら平均点が85%とかになってしまいます),大学受験生にはそれほどの学力が要求されているものと心得て下さい.
現代文で得点が伸び悩む人には一応「出口のシステム現代文 ベーシック編」(水王舎)を推奨教材として挙げますが,実際には多くの大学受験生(志願生!)が「これでも難しい」というのが現状です.ですので,然るべき指導者のアドバイスの下で,「(スポーツで言うところの)ケガをしない」学習をつねづね心掛けて下さい.
また,理科各科目もセ試過去問を基礎学力確認に使う事が出来ます(高2までの基礎が身についていれば既修科目は8割を狙えます).古典や社会といった「知識要素」の強い科目に関しては,ここで基礎学力を測る事の意味がやや薄れるのでとりあえず脇に置いておいても構わないかと存じますが,但し「センターで高得点が必要で,なおかつ2次も重視」な人などは,今のうちから中間的に目標得点を定めて取り組む学習計画もあり得るので,一概には言えないところもあります.
いずれにしても,「センター試験程度」が先ず一つの目安となる事については,各科目ともおおよそ(結果論的に)類似の傾向にあります.具体的な得点帯の目安については,和田秀樹著「新・受験技法: 東大合格の極意」に一応の目標ラインが記されていますが,このラインはやや厳しめである事にも注意します(=「これで安心」とは到底いかないので注意!).
既に当サイトでも再三述べていますが,原則としては「志望校の本番目標得点から逆算して,現時点での暫定目標を立てる」方針を忘れないで頂ければと存じます.