私有権の公的管理について

大変御無沙汰しております,ブリザムです.うっかりしていたら彼岸が明けてしまっており,お萩を食べ損ねました.哀しい.
直近は何をやっていたのかと申しますと,特殊詐欺と金融商品証券化について復習を含めて幾分学んでおりました.

実は,拙宅を含むマンション群の敷地内に,未登記建物(=先ずは表題未登記の意)が有る事が発覚したのですよ.気付いて管理組合理事長に内容証明で勧告したの私ですが.
そうして調べ上げたら盛りっと20件あまりつらつら同事案が出てまいりまして,これは早急に対処しないと,違法状態(不動産登記法第47条)であるのみならず,法令上の権利関係においてもマズい事になるのではないかという.

という訳で,「さっさとやれ」と再度内証送ったら,何故か「管理人」さんから呼び出されまして,向こう1年以内には何とか着手したいと.あまりに悠長過ぎると思ったので,「可及的速やかに対処すべき事案に違いないと思うのですが;違法状態もある事だし,何より悪用が怖い.詳細は判例を探すと多分ダルいので『クソ物件オブザイヤー』でggr」と反駁しましたところ,何故1年以内かというと管理組合定時総会のタイミングとの兼ね合いだそうで,ここでうっかり臨時総会などやろうとすると登記に必要な特別決議(4分の3賛成)が却ってメンドウな事になるという経験則もあるとの事で,「じゃあ来年いっぱい位までは大人しくしときましょう.再来年に入っても動きが見えなかったらもう私は知らんですよ」というラインで一応の軟着陸を見ました.冒頭の学修はこの為(表題登記の悪用例と不動産共有持分について調べたい由)だった次第です.

ちなみに,2008(平成20)年の案件のようですが,こんな話もあるそうで:
http://www.10-ki.com/adire/news.html
事務所名もビミョーなら内容もところどころ間違っていたりして,これはこれで中々しょっぱいのですが(苦笑),当方実は未登記建物の相続登記案件を取り扱った実績がありまして(無論業法に抵触しない限りで),それで「恐ろしメンドクサさ」を身をもって存じておるので内容証明などという手堅い算段まで持ち出した訳だったのです.

当記事を御覧になっている皆様におかれましても,親族の所有物件などで未登記建物がないか今一度精査される事を強く推奨申します.何しろ,当初の予定では今年の国会で「相続登記義務化」の法制を通す予定だった位ですから,まぁ延びてもそう遠くはないと思われる訳でして,それでひとたび義務化新法が施行されたら土地家屋調査士と司法書士が引く手あまたで到底足りなくなるので,今のうちにやっておくべし,という訳です.相続した建物が未登記だった際の遵法化手続きって,半分地獄ですからね….

以上,今回は法務省の勝手回し者である,ブリザム(※往々にして文科一類出身と勘違いされる;文一だったらとっくに法曹やってるでしょうに)がお送り致しました.

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