埋もれているコンテンツはまだまだ有るはず

一応の報道はされていながら反響をあまり見掛けないのですが,直近に以下のような事件がありました:

吉田拓郎さんのライブ音源 不正コピーし販売か
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151124/k10010317491000.html

歌手の吉田拓郎さんが昭和48年に開いたコンサートの音源を入手し、許可を得ずに不正にCDにコピーして販売したとして、音響機器販売会社の元社員が著作権法違反の疑いで警視庁に逮捕されました。
(中略)
このコンサートは(中略)音源の一部は正規のCDで販売されていますが、未発表曲やトークも含めたコンサート全体の音源は公開されていないということです。
>(中略)容疑者は「反響が大きかったので、次々と出品してしまった」と容疑を認めているということです。
警視庁は、去年10月ごろから90人近くに不正に販売しおよそ40万円を売り上げていたとみて、音源の入手ルートなどを調べています。

言うまでもなく,「著作権法違反」という違法行為の時点で本件自体は全くダメ行為な訳ですが,さても,昭和40年台という古さに比して,相応の(少なくとも斯様な小ビジネスになる程度の)人気市場需要がある,という背景事情には,目を見開かされるものがあります.

世に日々生み出されるコンテンツの累積に比して,それらの(市場需給からして)適正な利用がいまだ滞っている,という事は,21世紀サイバーネットワーク全盛の現代技術がなお,利用の観点からすると「追いついていない」面をも有する,という意味に他なりません.
一部斜陽のマンガ雑誌などでは,既に「リバイバル」的な販売を進めているようですが,それとて「過去のビッグネームに頼っている」上に「売上規模自体は二束三文もいいところ」だったりする訳で,もっと例えば,ロングテール的な市場形成が出来ないものかなぁと,売り手の為にも買い手の為にも思うところです.
長倉顕太さん(私の師匠筋のお一人でもあります)あたりは「情報・コンテンツは,蓄積可能な資産である」と言ってはばからず,実際にも1~2年前頃に書いたブログを再度引用展開するなどの「実践」をされていますが,これらの取り組みと,Amazon的なロングテール販売提供チャネルを適確に組み合わせる事で,「本来欲しい人に届ける事が出来る」仕組みをより高精度に構成していく事は,まだまだ求められている途上なのではないかと感じます.

 

と,ここまで書いていたら,こと吉田拓郎さんに関しては,次の直近記事も見つかりました:

音楽界に異変?「フォーク」人気が再燃のワケ
吉田拓郎や長渕剛だけではない
http://toyokeizai.net/articles/-/93017

「市場」は意外と,このあたりの「需要の匂い」を敏感に捉えている,という結果の一端が,今回の事件にも現れているのかもしれません?
あくまで違法行為はダメですが(繰り返して注意!).

Share

コメントを残す