センター試験が終わってから自己採点結果や予備校発表の予想平均点をにらみつつ此処を閲覧している人を想定して書いておきます.どうせ終了後まで仕事で居ない可能性あるので(苦笑)
拙著をはじめとする筆者の教育経歴の中でも「逆転合格」というキーワードは頻繁に(かつ意図的に)出てきているのは御承知の通りですが,ことセンター試験という「本番の一つ」が終わって結果が出た段階で,今更のように「逆転」と言い始める人に対しては,従前の認識覚悟のほどをあらためたく物申したい.
特に,センター試験が終わった自己採点までやって(あるいは試験開始以降,全日程終了時点までに)初めて「予期していた点数に足りない」と思った人などは,先ず直ちにそのヌルさというか中途半端さを反省する事を強くオススメします.そうでもないと「この先」がますます危なくなるからです.
どういう事かと言うと,センター試験で「欲しかった得点」に実際の自己採点結果が足りない,という事は,余程その得点目標計画自体が画餅であったか,さもなくば得点を万全に確保する為の事前対策が不足していた事を意味するからです.どちらにしても,得点で測定される大学入試という「相当地に足の着いた」制度に乗って取り組む立場としては,意識の霞み具合として問題外な程度です.
また,センター試験の事前・事後にかかわらず,そもそも「逆転合格」という事自体が決して順風満帆な行き方でない事も,試験に取り組む当事者及び関係者の総員が,元来理解しておくべき事です.
なぜなら,「逆転」という成果を挙げる為には,大まかに2通りしか算段がなく:「紙一重のところで『勝つ』側に回る」か,「入試本番でだけ得点が『暴騰』する」か,のいずれかだからです.
そして,今しがたセンター試験が終わって,「紙一重」で勝つ筋が見えなくなった人へ(この記事の読者の多数割合を占めると思われますので):
あなたは今から「残る本番回で暴騰」を目指そうとしている訳ですが,その前段として「人が変わる」覚悟は出来ていますでしょうか?
筆者の教え子でも,センター試験後に「逆転合格」の形で所期の目標成果を得た受験生は多数居ますが,その成果を出した人達は全員が「人格的に根底から変わった」と指導者視点からさえ見える程度です.
「人格を変えるべきかどうか」自体については職責上敢えてpushでは申しませんが,こと此のタイミングから逆転合格を望む場合,技術的に必要となる水準が「人格変革」をも求められる程度に及ぶ,という旨は,職務経験を含めた知見の限りで申し伝えておきます.
なお,今お手元にある青チャートやネクステが其の技術的水準に適するかはケースバイケースですが,センター試験でハズして逆転とか言い始める人の大半は,そんなものをマトモに使いこなす学力状態にすら達していないと思われます.先ず「自己採点7割台だった科目でコンスタント9割を目指すには何が足りなかったのか」あたりから再検討するのが適正ではないでしょうか.