国交省「UR団地を医療福祉拠点に」という尤もな政策が目指すもの

交通政策審議会の「首都圏15年整備計画」答申が諮問段階以降未だ出ていない事が,最近特に気になってきております.
http://www.mlit.go.jp/tetudo/tetudo_tk4_000002.html
リンク先でも丁寧に説明されている通り,旧運輸省はおおむね15年ごとに「首都圏の交通整備計画」を目標の骨子として答申の形で明示し,その多くが実現してきました.勿論,鉄道や自動車道路の発展に伴う,宅地や商業地の開発・そして人口動態もが,セットになった話です:これらも結果評価から見て取れます.

 

一方で,「UR団地を医療福祉拠点に」という,これ自体は朗報とも見える政策が打ち出されました.

大型団地 福祉拠点に 国交省、高齢化で地域と連携
「住生活基本計画」原案
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS18H4E_Y6A110C1EE8000/?n_cid=SPTMG003

直近の「首都圏鉄道が雪で大影響」という状況を目の当りにして,これはこれで相当いかんぞと思ったのですが,さすがに医療福祉のような長期的展望の方が事の重大性としては優先でありましょうか.

少子高齢化(人口動態)で国交省マターといえば,既に昨年以前から大きく取り沙汰されている「空き家」といったキーワードが筆頭に思い浮かびますが,ここで「区分建物(マンション)の建て替え」という,法的にもハードルが高い項目に手がつけられた事は,「着手しやすいところから現実的な対処を考え,実行していく」という政策観点として,肯定的に評価出来るものと思います.

 

昨今でも「タワーマンション」といえば経済的成功者の象徴であるかのような認識が広まっていると見えて,そういう人達には本件例のような「人の高齢化と建物の老朽化を踏まえた上での,大都市圏再開発計画の大局」といった切り口は,今一つ当事者意識をもって響かないのかもしれません.或いは,先日の雪で大幅遅延した都内周辺交通の中で列を成していた方々にとっても,おそらく同様の向きがあるのではないでしょうか.
しかし,そうして日々の通勤・通学に最寄り駅との往復路を歩く中で,駅近の古びた「官設っぽい団地」を目にした事のない人は,実はむしろ少ないはずです.そして,それらの幾つかは30年以上前(1985年)の運輸省答申と関係しています.
斯様に,国策レベルの大局計画とは,時を経てその成果が目に見えるものだとつくづく思います.今回の国土交通省政策にしても,敢えて言うなら,「社会保険制度の設計・試算」みたいなものに比べたって,まだしも意義をイメージしやすい対象には違いないでしょう.「2020年より先」を見据えた展望を明示する今回の提案に,先ずは敬意を表したいと存じます.財源をどうするのかは未だ存じませんが…拙宅の例だと300億円規模のプロジェクトになると試算されたりしておる訳ですが…

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