性別欄が「2択」だと困る人は2%も居る(?)

昨年4月に電通の調査で「LGBT該当者は7.6%」という結果が出て,今更ながらに「やっぱり何度見ても『LGBT』って雑な括りだよなぁ」と思っていたのですが,直近の博報堂グループによる調査結果では,セクシュアルマイノリティの更に「内訳」までもが詳述されています:

博報堂DYグループの株式会社LGBT総合研究所、6月1日からのサービス開始にあたり LGBTをはじめとするセクシャルマイノリティの意識調査を実施
http://www.hakuhodo.co.jp/archives/newsrelease/27983
http://www.hakuhodo.co.jp/uploads/2016/05/HDYnews0601.pdf

 

報告書本文の解説では「その他のセクシャルマイノリティに該当する人は約2.1%」と述べられていますが,この数値の内にはAセクシャル(0.73%)が含まれており,Aセクシャルの定義は性的指向上の分類に基づくものですから,「性自認(自身の性別認識)が”マイナー”≒2択だと困る」状態の人とは必ずしも同義ではありません.

そして,Aセクシャルに端的に該当する人以外の「その他のセクシャルマイノリティ」は,今回調査においても一括りなので,果たしてその全員が「性自認に特殊性を有する」などと結論して良いのかは,正直に言えば不明です.

ですが,ひとまずは「何がしかの統計数値」を出しておきたいので,ここでは大まかに,残りの上述「その他」1.40%の人々を,「性別に何らかの課題を自認している人」と見なしてみる事にしましょう.

 

他方で,今回調査では,トランスジェンダーが「0.47%」と,先年電通調査よりも明確に「”T”の実態」が見える形となっています.期待値で言うと「中学校の同学年200人の内に1人」程度,という事になります.個人的には経験を踏まえて「直感よりも若干少ない」気もするのですが,日本国内法及びそれに関連する医学上の定義に基づく「性同一性障害(GID)」に該当する(or該当可能性がある)人の割合,という意味で理解すれば,まぁ尤もらしい数値ではあろうかと思える程度です.

これと対比して,上述の「(トランスジェンダー以外で)性別に何らかの課題を自認している人」1.40%は,中学校の同学年200人に期待値で3人近く居る訳です.
(あるいは,トランスジェンダー・性同一性障害者を含めて「性別に何らかの課題を自認している人」全体が200人中4人で,その内GIDに該当するのは1人,他の3人は「それ以外」と換言してみると,より直感的に分かる方もあるでしょうか.)

 

…なんだ,意外と多いじゃないですか.

 

「同学年人口比2%」というのは,おおよそ「偏差値70以上」に相当する訳で(別に何の測定数値が「上位」って話でもありませんが),その程度なら「学年内の成績優秀者」と存在遭遇確率は同じです.小中学校の同期で「成績優秀者」って,目立つ事こそあるでしょうが,別にそこまで「珍しい」とまでは感じられないのではないでしょうか(「2%」という数値のレアリティからすれば,本来は逆に「それほど頻出でもない」と一言注意併記しておくべきでしょうけれど).
…それと同程度の割合で,「性自認において突出している」人もが同学年に居る(はず:期待値としては)のです.わりとだいぶ「珍しくない」気がしてきませんか??

 

尤も,こと「性自認」に関する当事者の認識は,往々にして外観上は判断のつきようが無い場合もあります.理由として「わざわざ表明する機会・方法が無い」とか「社会的差別や”制裁”が怖い」等のいずれのファクターがどれだけ効いているのかは未知ですが,例えばそれこそ私のように「公立学校で制服が性別込みで指定されているのは違憲だと思うので着ません」などとロコツに”戦う”人の割合は,さすがに2%も居ないように思われます(私自身が小学校~高校に在籍していたのは大分昔の事ではありますが,おそらく現代でもそう簡単に「ハードルが下がった」訳ではないでしょう).
より仔細な数字を一応述べれば:高校の同学年400人中では私以外に見当たらず,1つ下の学年でも1人見掛けた限りでした(高校在籍当時は名簿と顔写真を日々チェックして暗記していたので,少なくとも網羅精度に限れば「ひとまずマシな資料」ではあるはずです).そうすると確率的には0.25%で,上述した今回博報堂調査から導出される数値と比較すれば,「残りの当事者の内で9割近くは隠れている」と見る事も出来ます.
存在比0.25%だと「偏差値78」相当になる訳でして,これではまぁ「およそ出会わない」と言われても致し方無いかな,という数値です.但し其の背景事情として,「当事者の8~9割は潜んでいる」(と,統計数値の概算から見て取れる:上述)という「色眼鏡」が,傍目から認識し難いところで既に掛かっている,という状況は,今一歩広く認識されたいものだと思います.

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