「いじめ」は「いじめ犯罪」と即呼び変えるべき,そして親はすべからく六法を心得るべき(暗記する必要は無いが「どこかに何が書いてあったか」を思いつける程度に)

学校が舞台である例ををはじめとする「いじめ」に関する記事が,直近も多くなっているようです:

いじめ認知、最多の61万件 「重大事態」も最多に
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65322810S0A021C2CC1000/

いじめ最多61万件 昨年度の小中高
命に関わる「重大事態」増
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO65351080S0A021C2CC1000/

[社説]いじめ対策、法令順守徹底を
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65332220S0A021C2SHF000/

 

上記リンク表題にも「法令順守」と書いてありますが,そもそも「いじめ」とかいう中途半端な単語でごまかすからナァナァになってしまいがちな訳で,率直に犯罪は犯罪,民事不法行為は不法行為と呼ぶべきです.ただ「少年犯罪」などと言うと含まれる範疇がちょっと変わってきてしまうので(尤も「いじめ」は少年層に限りませんが…),当記事表題では「いじめ犯罪」と呼ぶ事を提唱してみました.

ちなみにこれ,20年以上前には既にあった論点ですよ.

 

そして,対策としては,既に筆者も幾度も述べている事ですが,刑事なら「一発告訴」一択で充分だと思います.前提として何がしかの証拠が要る訳ですが,流石に20年前より大分技術が一般に普及したので,「クラウド即時通信する記録デバイスを隠し持つ」事で,かなりの割合は収集出来ると思われます.通信デバイス持ち込みが許可制・校時中使用不可となっている状況も多いと思いますが(文科省答申でもそうなっていますね),わざわざ学校当局に告げたりせず(無論いじめっ子には「当局経由で御用になるまで」知らせません),制服や体操服の内側に隠しポケット(記録器が抜け落ちにくいギリギリの形にする)を縫い付けて,しれっと通常の生活を送っておけば良い訳です.またもし「バレた」場合でも,「命懸かってるんだぞ!お前は責任取れるのか!!」と恫喝すれば,公務員は凡そ黙ります(こういう場合をいわゆる「モンスターペアレント」と呼んで欲しくはない).

 

さて,次の階段は「告訴」(≒被害届提出)段階です.実務としては出来れば弁護士名義,もうちょっと費用を倹約したい場合は行政書士経由で提出すると受理確率がだいぶ上がりますが,問題は「嫌疑の内訳」です.例えば暴行に当たらないレベルな内容の悪口のような「嫌がらせ」程度だと軽犯罪法でいく事になりますが,さすがに軽犯罪法単品では警察当局もなかなか動いてくれづらく(立場的にも安直に動けないでしょうから悪くは言えません),別方向の例だと「痴漢」くらいでも「条例(各都道府県・たまに市町村)」で挙げているのが実情です(有名なのは例えば「迷惑防止条例」などと呼ばれるもの:各都道府県に大体制定されています).しかし,こと「いじめ」の範疇に属する「嫌がらせ」は,必ずしも迷惑防止条例や青少年保護条例等に条文があるとは限らないので,制定が無い限りは「民事不介入」を言い渡されている警察はまず動けません(これは警察の怠慢ではなく,一般論として公務員は「良かれと思ったからと言って,法令の枠を踏み越えてはいけない」ものなのです.これは日本が法治国家である以上当たり前です).

とはいえ,これが暴行傷害(男子に多い)あたりだと刑法(国の「法律」)で一発なので,刑事で片付くなら刑事で相手を「御用」にして,動きを封じるのが最先手でしょう.そうすると,窃盗(例えば「ペンケースが無くなった」みたいな)等の「証拠が残りにくい」方向へシフトしていく事になりがちですが,そうしたら学校当局に「全室に防犯カメラを付ける事」を請願すればよろしい。予算の問題はありますが,初めから「代表者としての校長名義で内容証明郵便で頼む」算段を用いて,市区町村(小中学校)なり都道府県(高校)なりの教育委員会に,「以下の通り学校に請願しました」と「副本」をやはり内容証明郵便で送付しておけば,「文書にされると中々ナァナァに出来ない」官吏の皆さんは,ある程度動いてくれる可能性が高まります.

もしそれでもダメだったら(当局がチンタラしている場合なども含む),もう学校に期待するのは止めましょう.不登校で自習して(幸い,学校で学べる事の多くは現代インターネット上に方法論の解説が有ります),時効期限を迎える前に,「往時の責任者+現任の責任者」連名を相手として,民事で代償としての損害賠償請求を行う事になろうかと存じます.

 

一方で,「連帯シカト」(女子にありがちですが男子でも珍しくはない)みたいな面倒な場合には,やむなく最初から民事でいく事になります.この例では,内容証明郵便を相手の自宅に送って「返答期限を付けた意思確認」を迫ればいい.これで大体は返答してくると思いますが,期限までに返答が無いときには,即民事訴訟提起であらためて「意思確認」を求める事になります.訴額は「金銭債権以外の請求」ですから160万円扱いとなり,訴訟提起印紙代は13000円+郵便代保管金預け6千円で,計19000円となります.まぁこのくらいなら生活保護世帯レベルでも頑張れば何とか捻出出来るでしょう(後述の通り,「本人訴訟」(実際問題としては代理人親権者原告)を想定しています).

もっとも,通常訴訟では「初回法廷がおおよそ1か月+1週間後,更に各回の弁論が1か月置き」という長期戦になり,実質的に意思確認の意味が無くなってしまう場合がほとんどだと思われますので,並行して(※本訴が無いと原則提起出来ない)「(仮の地位を定める)仮処分」の申し立てを行えば,約1週間で審議が始まって平均1か月くらいで結果が出ます.

最初から民事でいくケースとしては他の例も多く考えられますが,いずれにしても,例えばLINEの随時スクショ習慣や日常会話の秘密録音(例によって黙って内ポケ即クラウド送信)などは基本です.

 

以上の「公式対応」を完遂する為には,少なくとも民法・刑法・民事訴訟法・刑事訴訟法の知識が不可欠です.しかし,これを小中学生に要請するのはまず無理なので(教育者としての経験から申しています),実際問題としては法定代理人たる「親権者」がその責を負う事になります.条文を順番に読んでいくのはダルい上に身に付きづらいので,「必要なところから順に(出来れば判例を含めて)調べていく」ルートを推奨します.幸い,最近のパソコンでは,例えば筆者が今年の定額給付金で買った本体3万円強のWindowsマシン(但しメモリは32GBに換装)でも,Microsoft Edgeで50タブ×9ウィンドウくらい開いても余裕で動くので(文字テキストデータは軽いので…),400円くらいの目薬を買ってきて毎日血眼になるまで検索を続ければ,せいぜい3か月後には無知蒙昧な平均市民(法治国家としては残念な事ですが…)よりも遥かにセミプロ寄りになれます.あるいは,到達度を測る目標設定としての宅建や法学検定受験に臨むのも良いでしょう.

 

…と,ここまで頑張れば,弁護士を雇う費用(訴訟までいくと着手金20万円から程度)はちょっとキツい一般児童生徒の家庭でも,「いじめを止める」事はおおよそ出来ます.

しかし,理想としてはやはり,身近なところで簡単に相談が出来る法曹(≒実際上は弁護士)が居る事が望ましいでしょう.ですから,筆者はかねてから主張しておりますが,各学校に最低一名の「常駐弁護士」を配備すべきです.在籍頻度はスクールカウンセラーと同等以上(最低週3日)くらい.校医程度では全然足りません.ここでも「財源をどうするか」っていう話が出てくるかと思いますが,「弁護士余り」が問題化している以上,法テラスのように安価で公立学校が依頼する事も,上手くやれば出来るはずです.

或いはもっと良い案として,そもそも法曹(弁護士)資格を持つ人を教諭として採用してしまう,という算段も考えられます.「わざわざ法科大学院通って司法試験受かって修習まで受けて弁護士資格取った上で学校教員になる人材など居るのか」と思われるかもしれませんが,「博士(標準9年間学修)を教諭採用する」(秋田県など有名)先例が既に実施されている以上,類似の発想として「法科大学院卒弁護士を教員採用」も全然アリだと筆者は考えます.

 

内容証明郵便や訴状・仮処分申立書がバシバシ行き交う世の中になると,法治国家としては平和で良いものですね.なお,電子内容証明は一発約2千円と高額ですが,親のクレジットカードを登録して児童・生徒本人も随時使えるようにしておきましょう.勿論,法的有効性を含めた書き方のフォーマットを教えるのは親の務めです.

いじめという名の違法・不法行為に対しては,敢然と法制に従って戦いましょう.

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