受験生に望む学習指針の大前提

筆者が学習指導,特に受験指導を受け持つ場合に,「コーチング」の方法技術を随所に織り込んでいく事は(当サイトの読者なら)容易に想定されると思いますが,実は「その前」にやる事が2つあります:

 

●1つは,先ず「親(保護者)」を説得する,というか実質的には折伏する(苦笑)という事です.親が「進学校信者」である場合は無論の事,「大学受験の何たるかがよく分かっていない親」(たとえ自身が大学受験をしていてもこういう場合は珍しくない)や,逆に「自分が出来たがゆえに『気合で何とかなる』ものだと思っている親」(実はこちらの場合の方が面倒…)に対して,その信念を「バッキリ折り切る」事が,受験指導の第一歩になります.
なぜなら,受験生当事者に対しては,指導者当方が触れる時間よりも,親が触れている時間の方が圧倒的に長い=すなわちその分だけ影響も大きいからです.
そして,理想的には,親が受験指導者の「信者」になってくれる事…と思われるかもしれませんが,実はその先があって:それは,親が「自ら勉強する」ようになってくれる,という事です.
実際,筆者の指導先で,生徒への学習指導時に親が同席して自分もノートを取り始めた例がありましたが,30分ほど続けたところで「参りました」と言って席を外しました.この時の生徒は,センター試験40点ビハインドを2次の300満点内で逆転して,首都圏の国公立大学の看板学部に合格を果たしています.

 

●もう1つは,受験生が使っている(or使おうとしている)教材を「8割方捨てさせる」事です.当サイトでもさんざん述べてきましたが(そして当該記事は検索で飛んできた方に多く読まれていますが),受験生が使っている教材のおおよそ8割は,その受験生にとって「不適切」な教材です.この「不適切」の内訳としては,先ず「レベルが合っていない(無理やりハイレベル教材に手を出している)」事例が筆頭ですが,他に「志望校対策としての学習計画設定が成っていない」という場合も多くあります.この「学習計画」について,受験生自身が設定するのはなかなか難しいので,以前から当サイトで述べている通り,その為に筆者のような「専門家(受験コンサルタント)」を使う訳です.
この段階で,「素直に専門家が設定した学習計画に乗る」受験生は,大体相応の成果(1年未満で偏差値20アップ!等)を叩き出します.他方,進学校や予備校等の”無茶な”カリキュラムに対して執着を捨て切れない受験生は,往々にしてロクな結果を得ずに終わる事も少なくありません.筆者は,「指導実績」の項で「成功事例」を多く挙げていますが,その裏には「指導で述べた事を”聞いてくれなかった”が為に,目標に到達出来ず失敗に終わった」受験生の屍(言葉が悪いと思われるかもしれませんが,実態を表すにはまさにこんな感じです)もが転がっている訳です.

 

斯様に,「受験指導のプロ」を使うのですから,正しく使い倒して頂きたいものです.

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