コーチ・ブリザムは何がしたかったのか

あぁそういえば,かく言う私自身が一体どういう経緯でコーチングを受けて,そしてプロフェッショナルコーチとして認証を得て活動するに至ったのか,付記的ながら(※前記事参照)述べておきます:

一言でいうと,要するに,
幸せになりたかったんですよ.

 

これは私が自分から言い出した話なので,職責NDAに抵触するような事は無いはずなので述べますけれども:
最初(一連の複数回コーチングセッションの初回,個別機会としては初対面)にコーチ・Dr.苫米地に面会した際,私は「いいかげんそろそろ幸せになってもいいかな,と思いまして」と,今にして思えば控え目な切り出し方で,自己紹介兼挨拶を始めたのでした.

 

あくまで経験則の限りですが,コーチングを受ける事を希望して来るクライアントが当初に掲げて(抱いて)いる目標は,「活動生産性の向上・改善」といった方向周辺にある事が多い…と思われます.もっと露骨に言えば,「コーチングを受けると稼げる,儲かるようになる」というのが一つのステレオタイプになるでしょうか.

無論,コーチングの「本来的趣旨」は,必ずしも生産性向上に限られるものではありません(詳述は既存教材に譲りますが,クライアントを「ゴール達成に導く」事であり,「マインドの使い方を上手になってもらう」事であり,…).
とは言いつつも,実際「金に換算出来る話」がやはり重要度として上位に現れる傾向は否むべくもあらず,引き続いては「健康」「恋愛・人間関係」…といった括りが,今や広告宣伝売り文句に混在するかの如き程度にまで広く知られるに至っています;どうやら人間の求めるものが本質的に斯様な幾つかの題目に束ねられうる傾向はやはりあるのかと見えて,こと此の面から切り口を見る限りでは,あたかも「占い」などと区別付き難くさえ思われかねません.
…いや,占いと混同されたら科学者はまずもって激怒するんじゃないかと思いますけれども(あるいは逆に占い師へも失礼のおそれ甚大ではないでしょうか).

 

さて,そんな「幸せになりたかった数学者」ブリザムが,コーチングを受けてどうなったかと申しますと:

幸せになりましたよ?先ずは.

…但し,それと同等以上に「不満も増えた」という事も,敢えて併記明示しておきます.

理由はおそらく比較的単純で,「願望を達成する事自体は最速で成立出来るようになるが,それ以上に『欲望が増大するペース』も速くなるから」ではないか,というのが,本人主観視点での感覚です.
従前から私は,自らの経験・更には教育指導者としての実績をふまえて,「強欲は原則として是」なる旨を,隠さず職責立場上も明言してきましたが,まさに「それ丸ごとが加速した」感もがあります.

教育者としての経験信念であった「結局,強欲こそが成業の重大要素である」という文言が,果たしてコーチングの理論に基づく文脈においてもなお正当なものとして述べうるかは,未だ検証を重ねる必要のある事かなと思いますけれども,より個人主観的評価として言うならば,強欲な人は大体幸せそうだし,また魅力を持っている気がします.

Share